FINAL-01・横断判断レビュー

最終総合演習

あなたのメモの扱い

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ここまでの学習

Stage 1 全体像

この演習でやること

この演習は、1 つの事件の原因を当てる演習ではありません。

アステリア案件の M-6〜M21 を横断して、人間が決める判断を見渡し、判断に必要な証拠を自分で選び、最後に「M21 の初期安定化完了」をスポンサーにどう説明するかを組み立てます。

正解のボタンはありません。点数も付きません。最後に、自分の判断の過程を観点ごとに振り返ります。

取り組む前に

危機演習(本文のある 9 本)を経験してから取り組むことをおすすめします。先に取り組んでもかまいません。

所要時間の目安は 60 分前後です(メモを書く量によって変わります)。

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

時間の軸

時点 正本の記載
M-6 構想開始
M0 正式キックオフ
M18 本番稼働
M21 初期安定化完了

規模

  • 約120人規模のプロジェクト
  • 約1,500件の要件
  • 約36本のシステム連携
  • 10年分のデータ移行
  • マルチベンダー
  • AI活用あり

この演習について正本に書かれていること

  • 最終総合演習:M-6〜M21のアステリア案件を横断して判断する

AI の位置づけ

  • AIは意思決定責任者ではない。人間が管理する作業実行・支援手段とする
  • AIへ最終委任しない:投資承認/要件確定/設計承認/セキュリティ例外承認/本番移行承認/Go / No-Go/重大障害判断

人間が決める 7 つの判断

正本が「AIへ最終委任しない」とする 7 つの判断を、プロジェクトの流れに沿って並べます。

# 判断 教材上の位置(一般的な時期)
1 投資承認 構想〜キックオフ(M-6〜M0 の間)
2 要件確定 要件定義の終わり
3 設計承認 設計の終わり
4 セキュリティ例外承認 本番前
5 本番移行承認 切替の前
6 Go / No-Go 本番稼働の前
7 重大障害判断 本番稼働後

右の列は、一般的なプロジェクトでこの判断が行われる頃を示した教材上の整理です。アステリア案件でそれぞれの判断が行われた時期は、正本に記録がありません。未確定

やってみる — 最も材料が足りないと感じる判断

7 つのうち、「自分がこの判断をする立場なら、最も材料が足りないと感じる判断」を 1 つ選び、理由を 1〜2 行でメモしてください。正解はありません。

最も材料が足りないと感じる判断

Stage 2 分かっていること・記録がないこと

判断を組み立てる前に、正本で分かっていることと、記録がないことを分けます。記録がないことは、推測で埋めずに「記録なし」のまま扱います。

7 つの判断について、正本に記録があるもの

判断 時期 判断者 判断の材料 判断の結果
投資承認 記録なし 記録なし 記録なし 記録なし
要件確定 記録なし 記録なし 記録なし 記録なし
設計承認 記録なし 記録なし 記録なし 記録なし
セキュリティ例外承認 記録なし 記録なし 記録なし 記録なし
本番移行承認 記録なし 記録なし 記録なし 記録なし
Go / No-Go 記録なし 記録なし 記録なし 記録なし
重大障害判断 記録なし 記録なし 記録なし 記録なし

正本に書かれているのは、これらが「AIへ最終委任しない」判断であることだけです。未確定

M21 の初期安定化完了について

項目 正本
M21 に初期安定化が完了したこと CASE FACT 正本に記載あり
何を条件に「完了」としたか 記録なし
誰が完了と判断したか 記録なし
判断の材料 記録なし

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

関係する人物(正本の役職)

  • P-001 佐伯 隆志 — CFO/プロジェクトスポンサー
  • P-003 西村 俊介 — プログラムマネージャー
  • P-011 山下 恵 — 本番移行・運用リーダー

上の人物のうち誰が、どの判断をしたかは、正本に記録がありません。未確定 役職から判断者を推測しないでください。

考えるポイント

記録がないことは、「なかった」ことでも「問題があった」ことでもありません。判断を説明するときには、「分かっていること」と「記録がないので確かめる必要があること」を分けて示します。

やってみる — M21 の判断に必要だが、記録がないもの

M21 の初期安定化完了を判断するとしたら、必要なのに正本に記録がないものは何でしょうか。思いつくものを書き出してください。

Stage 3 証拠を選ぶ

ここからは、7 つの判断のうち 3 つと、最後の M21 の判断を深く見ます。判断ごとに、どの資料(成果物)が証拠として必要かを、自分で選びます。

深く見る判断

見出しの括弧内の時期は、一般的なプロジェクトでこの判断が行われる頃を示した教材上の整理です。アステリア案件でそれぞれの判断が行われた時期は、正本に記録がありません。未確定

D1 投資承認(構想〜キックオフ)

承認のときに「何ができたら成功か」は、どの成果物に書かれるか。効果は、いつ、誰が測るか。

D2 Go / No-Go(本番稼働の前)

本番稼働の判断で「条件付き」にした項目は、何に記録され、誰がいつまでに閉じるか。

D3 重大障害判断(本番稼働後の安定化期間)

安定化期間の重大障害について、再発防止を実施したか。その効果を確かめたか。

M21 初期安定化完了(最後の判断)

初期安定化を完了としてよいか。どの条件で、何を保留するか。

アステリア案件で、これらの判断に実際にどの資料が使われたかは、正本に記録がありません。未確定 ここでは、成果物の種類と読み方を手がかりに選びます。成果物ページの教材用サンプルの値は、アステリア案件の記録ではありません。

やってみる — 証拠を選ぶ

次の 16 の資料について、「必須」「補助」「今回は不要」のどれかを選び、使う判断(D1・D2・D3・M21)に印を付けてください。1 つの資料が複数の判断に効くこともあります。答えは一つではありません。

ARC-001 システム全体構成図

システムとシステム連携の全体を 1 枚に描いた図

BUS-002 システム投資企画書

投資の目的・期待する効果・費用と、承認を求める内容

BUS-003 プロジェクト対象範囲定義書

今回・次期・対象外の範囲と、その理由

BUS-004 効果測定指標一覧

投資の効果を測る指標・導入前の値・目標・測る時期

BUS-005 提案依頼書(RFP)

ベンダーに提案を依頼するときの要求事項

CUT-005 本番稼働判定資料

本番稼働を判断するための項目・基準・材料と、その結果

OPS-002 監視・アラート一覧

何を監視し、どの条件で誰に知らせるか

OPS-005 障害報告書

障害 1 件ごとの影響・経過・対応の記録

OPS-006 障害振り返り報告書

障害の原因と再発防止、その実施と効果の確認

OPS-007 サービス品質目標一覧

稼働の品質の目標・測り方・実績

OPS-009 稼働直後支援・運用引継ぎ計画

稼働直後の支援の体制と、運用へ引き継ぐ条件

PRG-006 課題・リスク管理表

課題とリスク、担当・期限・次の行動

PRG-007 意思決定記録

何を、なぜ、誰が決めたか、見直しの条件

PRG-010 プロジェクト状況報告書

状況の事実と評価、課題、依頼したいこと

SEC-003 本番特権アクセス管理表

本番の強い権限を、誰が、いつ、何のために使ったか

TST-006 利用者受入テスト・終了判定報告書

利用部門の受入テストの結果と、終了の判断

考え方の例を開く(選んだ後に)

正解ではありません。それぞれの資料に何が書かれ、どの判断に効くかの例です。

「必須」「補助」の分け方は、判断の重さや、ほかの資料で代わりが利くかによって変わります。自分の選び方の理由を言えるかを確かめてください。

セルフチェック

  • 「なぜその資料が必要か」を 1 つ以上書けたか

Stage 4 / 6

Stage 4 演習用の仮定資料を読む

ここで、判断の練習のための資料を読みます。次の 4 つの資料は、この演習のためだけに置いた仮の資料です。アステリア案件で実際に作られた資料ではありません。

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

  • M18 本番稼働
  • M21 初期安定化完了

仮の資料の中の「M20.5 時点」は、この演習の中だけの設定です。正本の時点ではありません。

FA-01 効果測定の途中経過(M20.5 時点)

演習用の仮定FINAL-01 演習用仮定資料。アステリア案件の正本事実ではありません。

形式は BUS-004 効果測定指標一覧 にならっています。

指標 導入前の値 目標 M20.5 時点の値 備考
採算を確認できるまでの日数 平均 8 営業日 3 営業日以内 直近 3 か月(M18.5〜M20.5):5・4・3 営業日(平均 4)
同じデータの手入力の件数 月 1,200 件 7 割減(月 360 件以下) 月 480 件(6 割減)
入力の誤りによる修正の件数 未測定 3 割減 月 90 件 導入前の値がないため比べられない

3 つの目標は、稼働の 1 年後に達成を確かめる(M21 より後)。

FA-02 稼働判定の条件と運用引継ぎの状態(M20.5 時点)

演習用の仮定FINAL-01 演習用仮定資料。アステリア案件の正本事実ではありません。

形式は CUT-005 本番稼働判定資料・OPS-009 稼働直後支援・運用引継ぎ計画 にならっています。

本番稼働の判定で「条件付き」とした項目

条件 期限(判定時の約束) M20.5 時点の状態
C-1 請求書の再発行の一部が動かない。回避の手順で運用し、修正する M19 の終わり 修正を本番に反映済み。業務部門の確認は未了
C-2 ある夜間の連携処理が、処理の時間の枠の 8 割を使っている。監視で見守る M21 まで 直近 30 日で枠の超過 0 回。最大は枠の 92%
C-3 移行作業のために一時的に付与した本番の特権を解除する M19 の終わり 14 件中 12 件を解除。2 件は理由を記録して延長中(延長の期限は記録なし)

運用への引継ぎの条件

条件 状態
運用手順書の整備 満たした
当番の体制 満たした
監視の通知先の切り替え 満たした
問い合わせ窓口の移管 一部未了(1 つの業務部門の問い合わせだけ、開発側が受けている)
開発側の集中支援の終了日 未定

FA-03 安定化期間の障害の状況(本番 2 日目〜M20.5)

演習用の仮定FINAL-01 演習用仮定資料。アステリア案件の正本事実ではありません。

形式は OPS-005 障害報告書 を集計した形にならっています。

集計の対象は本番 2 日目から M20.5 までの 10 週。本番初日の障害はこの集計に含めない。重大度の内訳は、見直した後の重大度で数えている。

項目 値
障害の件数(合計) 38 件(重大 2・高 9・中 17・低 10)
週ごとの新しい件数(1〜10 週目) 9・7・6・4・3・3・2・2・1・1
対応が終わっていないもの 8 件(高 1・中 4・低 3)
重大 2 件の再発防止 1 件目:実施済み・効果を確認済み/2 件目:実施済み・効果は未確認(同じ処理が月に 1 回しか動かず、再発防止の後にまだ動いていない。次にその処理が動いたときに確認する予定)
重大度の見直し 1 週目の 3 件は、後から重大度を下げた(理由の記録あり。上の内訳は下げた後の値)

FA-04 AI が作った安定化状況の要約(M20.5 時点)

演習用の仮定FINAL-01 演習用仮定資料。アステリア案件の正本事実ではありません。

「安定化期間の障害は 38 件で、すべて対応済みです。稼働判定で付けた条件はすべて満たされました。重大な課題はありません。初期安定化は完了と判断できます。」

(演習用に想定した AI の出力です。アステリア案件で実際に作られた文ではありません。)

やってみる — 資料を突き合わせる

4 つの資料を読んで、次の 4 つを書き出してください。

AI の要約を点検する

FA-04 の AI の要約を、1 文ずつ、ほかの資料(FA-01〜FA-03)と照らしてください。

「安定化期間の障害は 38 件で、すべて対応済みです。」
「稼働判定で付けた条件はすべて満たされました。」
「重大な課題はありません。」
「初期安定化は完了と判断できます。」

AI の要約は、元の資料の代わりにはなりません。判断は、元の資料を確かめたうえで人間が行います。

セルフチェック

  • 1 つの数字だけで結論を出していないか

学習状況

状態:未着手