BUS-004

効果測定指標一覧

分類:BUSINESS実物サンプルあり

これは何か

効果測定指標一覧は、システム投資で狙った効果を「何の数字で」「いつ」「誰が」測るかを、導入前の値と一緒に一覧にした成果物です。

投資の企画書(BUS-002 システム投資企画書)には、目的と効果、その測り方の大枠を書きます。この一覧は、その測り方を「実際に測れる形」にまで詳しくし、稼働後に測った結果を書き込んでいく台帳です。

たとえば「採算の悪い案件に早く手を打てるようになる」という効果は、そのままでは測れません。「採算を確認できるまでの日数」のように数え方を決め、導入前に一度測っておくことで、はじめて「良くなったか」を比べられます。

なぜ作るか

考え方は 01-02 システム投資で何を実現するのか と 01-03 投資対効果をどう考えるか で学びます。

誰が使うか・いつ作るか

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

効果の測定に関係する記載

  • 大規模基幹システム刷新
  • M-6 構想開始、M0 正式キックオフ、M18 本番稼働、M21 初期安定化完了
  • P-001 佐伯 隆志 — CFO/プロジェクトスポンサー
  • データの正本:経営分析は BI(SYS-07 BI基盤)
  • 投資承認は、AIへ最終委任しない事項の1つ

アステリア案件で、刷新によってどんな効果を狙い、それをどの指標で測るのか、効果の金額はいくらかは、正本に記載がありません。未確定 スポンサーが効果の測定に責任を持つという記載も、BI基盤を効果の測定に使うという記載もありません。未確定 下のサンプルの指標は、アステリア案件の目的を推測したものではありません。

主な項目(列)

一般的には、1行に次の列を持ちます。

  1. 指標の番号と名前、つながる目的(企画書のどの目的の効果か)
  2. 定義:何を、どの範囲で、どう数えるか(例:「確認できるまで」の起点と終点)。データの出どころ
  3. 導入前の値:いつ、どの期間を測った値か
  4. 目標:いつまでに、どこまで良くしたいか
  5. 測る時期・測る人・報告先:稼働後のいつ測るか(1回だけでなく、繰り返し)
  6. 金額にできるか:金額に換算するなら、その計算の根拠
  7. 測った結果と所見:測った値、目標との差、差の理由の見立て

教材用サンプル成果物の読み方を学ぶための例

教材用サンプル — 一覧の数行

この成果物は学習用サンプルです。FROZEN正本に記載されたCASE FACTと、成果物の読み方を学ぶための教材用サンプル値を区別して表示しています。

次の表は、一覧の書き方を学ぶための例です。内容はすべて教材上の架空の例で、アステリア案件の記録ではありません。値は「○」のように伏せ、書き方だけを示します。

番号 指標 定義 導入前の値 目標 測る時期 測る人
KPI-EX-01 採算を確認できるまでの日数 原価・工数が登録されてから、案件ごとの採算の表に反映されるまでの日数 ○日(刷新前の半年の平均) ○日以内 稼働の半年後から、四半期ごと 業務の責任者
KPI-EX-02 同じデータの手入力の件数 別のシステムから写して入力した件数(入力の記録から数える) ○件/月(刷新前に3か月分を数えた) ○割減らす 稼働の3か月後から、毎月 業務の担当
KPI-EX-03 入力の誤りによる修正の件数 登録の後に誤りで直した件数 未測定 ○割減らす 稼働の3か月後から、毎月 業務の担当

KPI-EX-03 の「未測定」は、導入前の値を測り忘れた例です。このままでは、稼働後に良くなったかを比べられません。

番号 測った時期 測った値 目標との差 所見(教材上の例)
KPI-EX-01 稼働の半年後 ○日 目標に届かない システムでは見られるが、確認の会議が従来の日程のまま。業務の手順の見直しが必要
KPI-EX-02 稼働の3か月後 ○件/月 目標を達成 連携で自動になった分が減った。残りは手順書で確かめる

読み方

  1. 指標ごとに、企画書のどの目的につながるかが書かれているか
  2. 定義が、別の人が数えても同じ値になるほど具体的か
  3. 導入前の値が、いつ・どの期間の値として測られているか
  4. 測る時期が、稼働の直後だけでなく、落ち着いた後にも置かれているか
  5. 目標に届かないとき、その理由をシステム以外(業務の手順・使い方)も含めて見ているか

書き方

  1. 企画書の目的ごとに、「良くなったら何が変わるか」を業務の言葉で書き、数えられる指標に言い換える
  2. 起点・終点・範囲とデータの出どころを決める。新旧のシステムで数え方が変わらないか確かめる
  3. 刷新の前に、導入前の値を測って残す
  4. 目標・測る時期・測る人・報告先を決め、稼働後に結果と所見を記入する

何を書いてはいけないか

どこを見るか

  1. 目的と指標のつながり
  2. 定義の具体さ(誰が数えても同じ値になるか)
  3. 導入前の値の有無と、測った時期
  4. 測る時期と測る人
  5. 目標に届かないときの所見と、次の手

赤信号

  • 導入前の値の欄に「未測定」が並んでいる
  • 測る人の欄が空欄、または「プロジェクト」だけ(プロジェクトが解散した後、誰も測らない)
  • 稼働後に一度も結果が記入されていない

よくある失敗

関係するUnit・成果物・危機演習

AI WORKFLOW

AIは、指標の定義のあいまいさを探す下書きに役立ちます。

「この効果測定指標一覧の各行について、①定義で起点・終点・範囲が書かれていない箇所、②導入前の値が空欄または『未測定』の行、③測る人または測る時期が空欄の行、を挙げてください。目標の値や効果の金額は補わないでください。」

REVIEW

  • AIが挙げた箇所を、人が一覧と企画書で確かめたか
  • AIが目標の値・金額・測る人を推測で埋めていないか
  • 数える元の記録を AI に渡してよいか(情報の扱い)を、事前に確かめたか

人間が判断すること

  • どの指標で投資の効果を測るか。目標をどこに置くか
  • 目標に届かないとき、業務の手順・使い方・システムのどれを見直すか
  • 金額にできない効果を、どう評価するか

投資承認は、AIへ最終委任しない事項です(正本の方針)。

いつ使うか

この教材では STAGE 01|なぜ数十億円を使うのか の文脈で扱います。 アステリア案件での正式な作成・使用時期(月)は正本に記載がないため、未確定としています。

最後の問い

この一覧を見た人は、「投資の効果を、何で、いつ、誰が測り、導入前と比べてどう変わったか」を1行ずつ説明できますか?

学習上の接続

教材上の学習接続です。成果物とUnitの正式な対応表はbaselineにないため、正式な関連付けとしては登録していません。

  • Stage:未確定(baselineに対応表なし)
  • 危機演習:未確定(baselineに対応表なし)
  • 人物:未確定(baselineに対応表なし)