これは何か
障害振り返り報告書は、障害が落ち着いたあとに、何が起きたか・なぜ起きたか・なぜ早く気づけなかったか・どうすれば起きにくくなるかをまとめる成果物です。
障害報告書(OPS-005 障害報告書)が「事実と対応の記録」であるのに対し、振り返り報告書は「原因と再発防止」を扱います(13-04 復旧と原因調査は分けて考える)。
なぜ作るか
- 同じ障害を繰り返さないための対策を決める
- 対策を、誰がいつまでに行うかを決める
- 障害から分かったことを、プロジェクトや組織の知識として残す
誰が使うか・いつ作るか
- 作る人:障害対応の責任者、関係したシステムの担当
- 使う人:運用・開発の担当、プロジェクトの責任者、同じ仕組みを使う他の担当
- 一般的には、復旧のあと、記憶と記録が新しいうちに行います
- アステリア案件の障害の振り返りの内容は、正本に記載がありません。未確定
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
運用に関係する記載
- M18 本番稼働、M21 初期安定化完了
- システムに SYS-11 監視・ログ基盤がある
- P-011 山下 恵 — 本番移行・運用リーダー
- AIへ最終委任しないことに「重大障害判断」がある
教材用サンプル成果物の読み方を学ぶための例
教材用サンプル — 振り返り報告書の構成
この成果物は学習用サンプルです。FROZEN正本に記載されたCASE FACTと、成果物の読み方を学ぶための教材用サンプル値を区別して表示しています。
| 欄 | 何を書くか | 書き方の例(教材上の例) |
|---|---|---|
| 概要 | いつ、何が、どの範囲で起きたか | 障害報告書の番号と要約 |
| 時系列 | 発生・検知・対応・復旧の時刻 | 記録から時刻の順に |
| 影響 | 業務・利用者・データへの影響 | 止まった業務と時間 |
| 原因 | 証拠で確かめた原因。確かめきれていない点 | 直接の原因と、その背景 |
| 検知 | なぜもっと早く気づけなかったか | 監視の対象外だった、など |
| うまくいったこと | 対応で役立ったこと | 手順書どおりに切り替えられた、など |
| 対策 | 再発を防ぐ対策、担当、期限 | 監視の追加(担当・期限) |
| 対策の確認 | 対策が実施され、効いたかの確認 | 確認の時期と方法 |
表の値は構造を学ぶための例です。アステリア案件の障害ではありません。
何を書いてはいけないか
- 個人を責める書き方(「担当者の不注意」だけで終える)
- 確かめていない推測を、原因として書く
- 担当と期限のない対策
どこを見るか
- 原因が、証拠で確かめられたものか。確かめきれていない点が分けて書かれているか
- 「なぜ早く気づけなかったか」が書かれているか
- 対策が、原因と検知の両方に対応しているか
- 対策ごとに、担当と期限があるか
- 対策が実施され、効いたかを確かめる予定があるか
赤信号
- 対策が「注意を徹底する」だけ
- 原因が1行で終わり、根拠が示されていない
- 同じような振り返りが、何度も出ている
- 対策の確認の欄が、ずっと空欄
関係するUnit・危機演習
- Unit:13-04 復旧と原因調査は分けて考える、13-01 本番障害が起きたら最初に何をするか、14-01 稼働直後の集中対応期間
- 成果物:OPS-005 障害報告書、OPS-004 障害対応計画
- 危機演習:CR12 本番初日に複合障害(学習上の接続です。正式な対応関係ではありません)
AI WORKFLOW
「この振り返り報告書の下書きを読み、①証拠が示されていない原因、②検知についての記述がない点、③担当または期限のない対策、④個人を責める表現、を挙げてください。原因を書き換えたり、新しい原因を提案したりしないでください。」
AIは、障害報告書や対応の記録から、時系列の下書きを作るのに役立ちます。
REVIEW
- 時系列の下書きが、元の記録と合っているか
- AIの要約で、確かめきれていない点が「分かったこと」に変わっていないか
- 対策が、原因と検知に本当に対応しているか
人間が判断すること
- 原因を確定したと判断するか
- どの対策を採用し、誰に任せるか
- 対策が効いたと判断するか
いつ使うか
この教材では STAGE 13|本番で障害が発生した の文脈で扱います。 アステリア案件での正式な作成・使用時期(月)は正本に記載がないため、未確定としています。
最後の問い
この振り返りの対策で、同じ障害が本当に起きにくくなると言えますか?