CR05・M11
開発が2か月遅延
ここまでの学習
Stage 1 症状
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
M11 開発が2か月遅延
- 進捗90%が何週間も続く
90%が何週間続いたか、どの開発の進捗か、誰が進捗を報告していたかは、正本に記録がありません。記録なし
TRAINING UI演習の問い
進捗90%の報告が、何週間も続いています。開発は2か月遅れています。
あなたが報告を受ける立場なら、「もうすぐ終わる」と考えますか。
そう考えた理由、またはそう考えなかった理由を書いてください。
この段階では AI に聞かない
報告された数字しか手元にありません。その数字について AI に「もうすぐ終わりますか」と聞いても、答えは一般的な見込みにしかなりません。
まず、あなた自身の最初の印象を書きます。
Stage 2 最初の資料
手元にある情報を整理します。この段階で新しい事実は加えません。
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
| 項目 | 正本の記載 |
|---|---|
| 時点 | M11 |
| 進捗 | 90%が何週間も続く |
| 遅延 | 2か月(危機演習のタイトル) |
進捗報告の実物、90%の数え方、何週間続いたか、2か月が何の予定に対する遅れか、どの開発かは、正本に記録がありません。記録なし
TRAINING UI資料の読み方
正本から言えること
- 進捗の報告は、90%のまま何週間も変わっていない
- 開発は2か月遅れている
まだ言えないこと
- 90%が、何を数えた値か
- 90%だから残りはわずかだ、と言えるか(90%の意味が分からないため、残りの量も分かりません)
- 2か月が、何の予定に対する遅れか
- なぜ90%から進まないのか
次に確かめたいこと
- 90%という数字は、どう決められていたのか
- 「90%」とは、何ができている状態のことなのか
- 何が終わったら「終わった」と数えていたのか
TRAINING UI演習の問い
THINK
90%のまま何週間も動かない数字は、進み具合を表していると言えるでしょうか。
「次に確かめたいこと」に、あなたが確かめたいことを1つ以上足してください。
AI WORKFLOW
AI に使ってよいのは、「数字を判断に使う前に確かめること」の一覧づくりです。
AI へ渡す情報: 上の表の3項目だけ
AI へ渡さない情報: 推測した週数、推測した作業の中身や担当
AI への問いの例(演習用の例です。ケースの中で実際に使われた指示文ではありません)
「進捗90%の報告が何週間も続いています。この数字を判断に使う前に確かめるべきことを挙げてください。週数や作業の中身は推測しないでください。」
検証のしかた: AI が週数・機能名・件数を書いていたら、正本に記録がないため削除します。AI が「残りの作業に難しいものが集まっている」と結論づけたら、根拠がないとして退けます。
Stage 3 仮説整理
「残りが難しいだけ」で済ませず、作業の中身・計画・体制・数字の付け方・終わりの数え方まで、90%から進まない理由の候補を広げます。
LEARNER HYPOTHESISあなたが立てる仮説。事実ではありません
A. 作業の中身
残りの作業が、見た目より重い。
- 確かめ方: 残りの作業の中身(正本に記録がありません)
B. 計画
最初の見積もりが甘かった。
- 確かめ方: 当初の計画と見積もり(正本に記録がありません)
C. 体制
人手や体制が足りない。
- 確かめ方: 体制の記録(正本に記録がありません)
D. 数字の付け方
報告される進捗の数字の付け方に、問題がある。
- 確かめ方: 進捗の数字を、誰がどう付けていたかの記録
E. 終わりの数え方
何が終わったら「終わった」と数えるかが、はっきりしない。
- 確かめ方: 作業を終わったと数える基準の記録
A〜E のどれか1つに絞る必要はありません。特定の人・チーム・会社の能力を原因とする仮説は、正本に記録がないため挙げません。
AI WORKFLOW
AI に仮説を広げさせることはできます。ただし、AI の仮説は一般的な傾向であり、このケースの事実ではありません。
AI へ渡す情報: 時点 M11、進捗90%が何週間も続く、開発が2か月遅延
AI へ渡さない情報: 推測した週数、作業の中身、担当者や会社の名前
AI への問いの例(演習用の例です。ケースの中で実際に使われた指示文ではありません)
「次の状況で、進捗が90%から進まない原因の仮説を観点ごとに挙げ、それぞれを確かめるために必要な記録を書いてください。週数・機能名・人名は書かないでください。」
検証のしかた: AI の仮説ごとに、「このケースの記録で確かめられるか」を人間が確かめます。確かめる記録がない仮説は、仮説のまま残します。
REVIEW
AI が「終盤には難易度の高い作業が集まるため、よくある現象です。人員を追加すれば解消します」とまとめることがあります(演習用に想定した回答の例です)。
- この回答は、90%の意味を確かめないまま、「残りはわずかで、難しい作業だけが残っている」ことを前提にしています。
- 「人員を追加すれば解消する」は、90%から進まない理由を確かめる前に、対策を先に出しています。
- 仮説 D・E のように、数字そのものの成り立ちを確かめる観点が抜けています。
足りない証拠: 進捗の数字がどう付けられていたか、何を「終わった」と数えていたか。
人間が判断すること
- どの仮説から確かめるか
- 確かめ終わるまで、90%の報告を判断の根拠に使うのを保留するか
Stage 4 追加証拠
この段階では、進捗の数字そのものの成り立ちに関わる事実を開示します。
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
この開発の進捗について、次のことが正本に記録されています。
- 90%の定義なし
- 進捗率が主観
誰の主観だったか、90%をどう算出していたかは、正本に記録がありません。記録なし
TRAINING UI開示の順番について
この演習の段階の順番は、学習のために情報を示す順番です。ケースの中で、この順番で分かったという記録はありません。
TRAINING UI仮説の見直し
- このケースの90%は、何ができた状態かの定義がなく、主観で付けられた数字でした。進み具合を測った結果として扱える数字ではなかった可能性があります。
- 仮説 D(数字の付け方)は、この事実とつながります。
- 仮説 A(作業の中身)・B(計画)は、この事実だけでは肯定も否定もできません。
TRAINING UI演習の問い
THINK
定義がなく、主観で付けられた90%が何週間も変わらないとき、その「変わらない」ことから何が分かるでしょうか。
Stage 3 の仮説のうち、この事実で考えが変わったものを書いてください。
AI WORKFLOW
AI へ渡す情報: 5つの仮説と、このケースの進捗について開示された2つの事実
AI への問いの例(演習用の例です)
「開発の進捗率を、報告する人の感覚に頼らずに測るための観点を、一般論として挙げてください。このケースの数値や作業の例は書かないでください。」
検証のしかた: AI の観点は一般論として扱います。AI がこのケースの進捗を測り直した値を出していたら、算出方法も作業の中身も正本に記録がないため削除します。
Stage 5 決定的証拠
この段階では、何を「終わった」と数えていたかに関わる事実を開示します。
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
この開発では、実装完了とテスト完了の混同がありました。
どの作業で、誰が混同していたか、テストが何件あったかは、正本に記録がありません。記録なし
TRAINING UI開示の順番について
この演習の段階の順番は、学習のために情報を示す順番です。ケースの中で、この順番で分かったという記録はありません。
Stage 4 と Stage 5 に事実を分けたのも、学習のための分け方です。この段階の事実が、Stage 4 の事実より重い原因だったという記録はありません。
TRAINING UI演習の問い
THINK
作り終えたことと、確かめ終えたことが区別されていなかったとしたら、90%の中には何が含まれていたと考えられますか。
Stage 4 で開示した事実と合わせて、90%が何週間も変わらなかった理由を、自分の言葉で書いてください。
AI WORKFLOW
AI へ渡す情報: 症状、Stage 4・5 で開示した3つの事実、あなたが書いた考え
AI への問いの例(演習用の例です)
「次の私の考えのうち、示された事実から言えることと、私の推測を分けてください。推測を事実のように書き換えないでください。」
検証のしかた: AI の仕分けが正本の事実の範囲に収まっているかを人間が確かめます。AI が混同していた作業や件数を推定していたら、正本に記録がないため削除します。
Stage 6 真因
この段階では新しい事実は加えません。Stage 4・5 で開示した3つの事実を、1つの構造としてまとめます。
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
真因
進捗率が主観、90%の定義なし、実装完了とテスト完了の混同
Stage 4・5 で分けて示した3つは、正本では、この真因の1行にまとめて書かれています。
TRAINING UIなぜ90%のまま動かなかったのか
症状
進捗90%が何週間も続き、開発は2か月遅れていました。
数字の付け方
進捗率は主観で付けられ、90%が何ができた状態かの定義もありませんでした(Stage 4)。
「終わった」の数え方
実装完了とテスト完了が混同されていました(Stage 5)。作り終えたことと、確かめ終えたことが区別されていませんでした。
まとめ
このケースの90%は、客観的な進捗指標として成立していませんでした。
重要
これは、このケースの正本に記録された90%についての説明です。「進捗率は、どんな場合も当てにならない」という意味ではありません。
3つのうち、どれが最も大きかったかは、正本に記録がありません。記録なし 2か月の遅れのうち、どれがどれだけの遅れにつながったかも、正本に記録がありません。記録なし
仮説 A(作業の中身)・B(計画)・C(体制)は、正本の真因には含まれていません。ただし、関係がなかったとも書かれていないため、否定もしません。
TRAINING UI演習の問い
THINK
Stage 3 であなたが有力と考えた仮説は、この真因とどう重なり、どう違いましたか。
Stage 7 対応・成果物更新
この状況から立て直すなら
M11 の時点で実際に何をしたのか、その結果どうなったのかは、正本に記録がありません。記録なし
ここでは、正本の真因をもとに、この状況から立て直すなら何を優先するかを考えます。この段階に、新しい正本の事実はありません。
TRAINING UI立て直しで考えること
- 90%の報告を、どう扱い直すか(そのまま使い続けるか、測り直すか)
- 作り終えた部分と、確かめ終えた部分を、どう分けて把握し直すか
- 残りの作業を見直したうえで、スケジュールを引き直すか
- 報告先に、何を、どう説明するか
人間が判断すること
- どの順番で立て直すか
- 進捗の測り方を、誰が決め直すか
- スケジュールの見直しを、誰が承認するか
このケースで誰が判断したかは、正本に記録がありません。記録なし この演習では、正解となる人物・会議体・期限を示しません。役割で考えてください。
AI に任せてよいこと・任せてはいけないこと
任せてよいこと(下書きとして。最終確認は人間)
- 作業の一覧を「作り終えた」「確かめ終えた」の観点で整理する下書き
- 進捗の測り方の案を書くための書式の下書き
- 報告資料の構成の下書き
任せてはいけないこと
- 進捗率の値を決めること
- スケジュールを見直すかどうかの判断
- 報告内容の最終決定
AI への問いの例(演習用の例です)
「開発作業の一覧を、作り終えたものと確かめ終えたものに分けて管理するための書式案を作ってください。項目名だけを挙げ、中身は空欄にしてください。このケースの作業の例は書かないでください。」
検証のしかた: AI が書式の中身(作業名・件数・進捗率)を埋めていたら削除します。書式に何を書くかは人間が決めます。
演習
この状況で、最初に立て直すことは何ですか。その理由と、それを決める役割を書いてください。
成果物で見直す観点
- 進捗の報告のしかた
- スケジュールを見直す場合の反映
- 確かめ終えたことの把握
- 進み具合を数値で見る観点
- 遅れの管理
学習上の接続(正式な対応関係ではありません):
接続先の成果物にある記載例は、学習用のサンプルです。CR05 のケースの事実ではありません。
Stage 8 / 8
Stage 8 再発防止
このケースの正本には、再発防止の記録がありません。記録なし ここで考える策は、あなたの設計です。
TRAINING UI再発防止を設計する
真因の3つそれぞれについて、あなたの策を書いてください。
進捗率が主観
進捗率を、報告する人の感覚ではなく、何で測りますか。
90%の定義なし
「90%」などの途中の値を、何ができた状態として定めますか。
実装完了とテスト完了の混同
「作り終えた」と「確かめ終えた」を、どう分けて数えますか。
AI WORKFLOW
AI へ渡す情報: 正本の真因と、あなたが書いた策
AI への問いの例(演習用の例です)
「この再発防止策は、進捗率が主観・90%の定義なし・実装完了とテスト完了の混同の3つをそれぞれ扱っていますか。扱っていないものを指摘してください。」
検証のしかた: AI の指摘は、策の抜け漏れを確かめる補助です。AI が足した策を、このケースで行われた再発防止として扱いません。どの策を、誰の承認で、いつから運用するかは人間が決めます。
最後の問い
90%が何週間も変わらないことに、もっと早く気づくには、何を、いつ確かめる必要があったでしょうか。
あなたの再発防止策は、真因の3つのそれぞれに対応していますか。
CR05で覚えてほしいこと
このケースの90%は、客観的な進捗指標として成立していませんでした。
定義がなく、主観で付けられ、作り終えたことと確かめ終えたことも区別されていなかったためです。
進捗の数字を判断に使う前に、何を、どう数えた数字かを確かめます。
学習上の接続(正式な対応関係ではありません):
LEARNER HYPOTHESISあなたの考え。事実ではありません
Stage 8 の記録
学習状況
状態:未着手