これは何か
テスト計画・対象一覧は、テストの方針(TST-001)を具体的な計画に落とし、何を・どの段階で・誰が・いつ・どの環境で確かめるかを一覧にした成果物です。
「テストをします」という宣言ではなく、確かめる対象を1つずつ並べ、抜けや重なりがないかを見えるようにします。
なぜ作るか
- 要件ごとに、どこで確かめるかを決め、確かめ忘れる要件をなくす
- 段階ごと(単体・結合・総合・受入)の範囲の分担をはっきりさせる(10-02)
- テストに必要な環境・データ・人を、前もって準備できるようにする
- 「確かめないもの」とその理由を、判断した記録として残す
誰が使うか・いつ作るか
- 作る人:テストの担当(リーダーと各段階の担当)
- 確かめる人:要件の担当、業務の担当、プロジェクトの責任者
- 使う人:テストを実行する担当、環境を用意する担当、品質の状況をまとめる担当
- 一般的には、要件が固まってきた段階で作り始め、段階ごとのテストの前に詳しくし、変更に合わせて更新します
- アステリア案件のテストの計画・対象・時期は、正本に記載がありません。未確定
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
テストに関係する記載
- 約1,500件の要件、約36本のシステム連携
- P-010 宮田 直人 — テスト・品質管理リーダー
- 成果物に TST-001 テスト戦略書、TST-003 障害管理表、TST-004 品質状況ダッシュボードがある
- M18 本番稼働
アステリア案件のテストの段階の分け方、各段階の時期・担当・対象の数は、正本に記載がありません。未確定
主な項目
一般的には、次の2つで構成します。
計画の部分
- 段階ごとの目的・範囲・担当・時期・環境・データ
- 段階を始める条件と、次の段階へ進む条件
- 確かめないものと、その理由
対象一覧の部分(1行に1つの確かめる対象)
- 対象の番号と名前
- 関係する要件の番号(REQ-004 要件追跡表 とつなぐ)
- 確かめる段階
- 担当
- 使う環境とデータ
- 予定の時期
教材用サンプル成果物の読み方を学ぶための例
教材用サンプル — 対象一覧の数行
この成果物は学習用サンプルです。FROZEN正本に記載されたCASE FACTと、成果物の読み方を学ぶための教材用サンプル値を区別して表示しています。
次の表は、対象一覧の書き方を学ぶための例です。番号・対象・担当は、すべて教材上の架空の例で、アステリア案件の計画ではありません。
| 対象番号 | 確かめる対象 | 関係する要件 | 段階 | 担当 | 環境・データ |
|---|---|---|---|---|---|
| TC-EX-001 | 案件を登録できる | REQ-FUNC-0101 | 単体・総合 | 開発の担当/テストの担当 | テスト環境・作ったデータ |
| TC-EX-002 | 登録した案件が、分析の仕組みに連携される | REQ-FUNC-0130 | 結合 | 連携の両側の担当 | 結合テスト環境・作ったデータ |
| TC-EX-003 | 夜間の連携処理が、決めた時間内に終わる | REQ-NFR-0012 | 総合(性能) | テストの担当 | 本番と同じ量のデータ |
| TC-EX-004 | 業務の流れを通して、案件の登録から報告まで使える | REQ-FUNC-0101 ほか | 受入 | 業務の担当 | 受入テスト環境 |
| ― | 画面の色の細かな違い | ― | 確かめない | ― | 理由:業務に影響しないため。判断した人を記入 |
読み方
- すべての要件が、どこかの行の「関係する要件」に入っているか(抜けている要件はないか)
- 連携(つなぎ目)の確認に、両側の担当が入っているか
- 性能・安全などの非機能の確認が、どの段階かに入っているか
- 「確かめない」ものに、理由と判断した人があるか
- 環境・データが、その段階の目的に合っているか(本番に近いデータが必要な確認はどれか)
書き方
- テストの方針から、段階と、段階ごとの範囲を決める
- 要件の一覧をもとに、確かめる対象を洗い出す
- 対象ごとに、段階・担当・環境・データ・時期を決める
- 要件追跡表と照らし、確かめる対象のない要件がないかを確かめる
- 確かめないものを決め、理由と判断した人を書く
- 要件の変更に合わせて、対象を足したり外したりする
何を書いてはいけないか
- 要件とつながっていない対象(何を確かめているのか分からない)
- 担当が「全員」「チーム」のままの行
- 理由のない「確かめない」
どこを見るか
- 要件との対応に抜けがないか
- 段階ごとの範囲の分担
- つなぎ目・非機能の確認の有無
- 環境・データの準備の計画
- 確かめないものの判断
赤信号
- 対象の一覧が、画面の一覧を写しただけになっている
- 連携や非機能の行がない
- 本番に近いデータで確かめる行が1つもない
- 要件の変更が、一覧に反映されていない
よくある失敗
- 対象の数を多くすることが目的になり、大事な業務の確認が薄くなる
- 段階ごとの担当の境目があいまいで、どの段階でも確かめていない対象が残る
- 環境・データの準備が間に合わず、予定の時期に始められない
関係するUnit・成果物・危機演習
- Unit:10-02 小さい単位から全体へテストする、10-01 テストは何のためにするのか、10-06 テストをいつ終了してよいのか、04-05 要件はどこからどこまで追跡するのか
- 成果物:TST-001 テスト戦略書、REQ-004 要件追跡表、TST-003 障害管理表、TST-004 品質状況ダッシュボード
- 危機演習:CR05 開発が2か月遅延(学習上の接続です。正式な対応関係ではありません)
AI WORKFLOW
AIは、要件の一覧と対象一覧を突き合わせる下書きに役立ちます。
「この要件一覧とテスト対象一覧を比べ、①どの対象にもつながっていない要件、②要件につながっていない対象、③担当・環境・時期のどれかが空欄の対象、を挙げてください。確かめない対象を決めたり、段階を割り当てたりしないでください。」
REVIEW
- AIが挙げた要件・対象を、人が元の一覧で確かめたか
- AIが対象を勝手に足したり、「不要」と判断したりしていないか
- 抜けていた要件を、どの段階で確かめるかを人が決めたか
人間が判断すること
- どの要件を、どの段階で、どこまで確かめるか
- 確かめないものを決めること
- 環境・データ・人の準備の優先順位
いつ使うか
この教材では STAGE 10|本当に動くことを証明する の文脈で扱います。 アステリア案件での正式な作成・使用時期(月)は正本に記載がないため、未確定としています。
最後の問い
この一覧を見た人は、「どの要件を、どの段階のテストで、誰が、いつ確かめるのか。確かめないものは何か」を答えられますか?