CR01・M3.5
要件定義が終わらない
ここまでの学習
Stage 1 症状
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
M3.5 要件定義
- 完了予定まで2週間
- 未決事項: 86件
- 進捗: 85%
86件の未決事項の中身、85% が何を数えた値か、「完了予定」が何の完了予定か、誰が要件定義に関わっていたかは、正本に記録がありません。記録なし
TRAINING UI演習の問い
進捗は85%です。完了予定まで2週間です。
この数字だけを見て、要件定義はほぼ終わったと考えてよいでしょうか。
「ほぼ終わった」か「まだ終わらない」かを選び、その理由を書いてください。
未決事項が86件残っていることは、85%という数字とどう関係すると思いますか。
この段階では AI に聞かない
86件の中身は、正本に記録がありません。中身の分からない数字について AI に「間に合いますか」と聞いても、答えは一般的な見込みにしかなりません。
まず、あなた自身の最初の印象を書きます。
Stage 2 最初の資料
手元の3つの数字を並べます。この段階で新しい事実は加えません。
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
| 項目 | 正本の記載 |
|---|---|
| 時点 | M3.5 |
| 完了予定まで | 2週間 |
| 未決事項 | 86件 |
| 進捗 | 85% |
これらの数字がどの資料に載っていたか(要件一覧か、状況報告か)は、正本に記録がありません。記録なし
TRAINING UI資料の読み方
この資料から言えること
- 進捗の数字は高い
- それでも、未決事項は86件残っている
- 残りの期間は2週間
まだ言えないこと
- 85% が、何を100%として数えた値か(正本に記録がありません)
- 86件が、85% の計算に含まれているか
- 86件が、2週間で決められる量か(それぞれの中身は正本に記録がありません)
- なぜ未決のまま残っているのか
進捗の数値そのものを疑う材料は、正本にはありません。ここで考えるのは、高い進捗と86件の未決事項が同時にあることの意味です。
TRAINING UI演習の問い
THINK
85%・86件・2週間。この3つが同時にあるとき、あと2週間で要件定義を終えられると言えるでしょうか。
85% の「100%」は、何が決まった状態のことでしょうか。この資料から分かりますか。
AI WORKFLOW
AI に使ってよいのは、「判断する前に確かめること」の一覧づくりです。
AI へ渡す情報: 上の表の4項目だけ
AI へ渡さない情報: 推測した未決事項の例、推測した関係者
AI への問いの例(演習用の例です。ケースの中で実際に使われた指示文ではありません)
「進捗85%・未決事項86件・完了予定まで2週間という状況で、間に合うかを判断する前に確かめるべきことを挙げてください。未決事項の中身や、決まらない理由は推測しないでください。」
検証のしかた: AI が未決事項の具体例(画面・帳票など)を書いていたら、正本に記録がないため削除します。AI が「間に合わない」と結論づけたり、数値そのものを疑う結論を出したりしたら、根拠がないとして退けます。
Stage 3 仮説整理
「人手が足りない」「頑張れば終わる」で済ませず、量・中身・範囲・進め方・終わり方まで、終わらない理由の候補を広げます。
LEARNER HYPOTHESISあなたが立てる仮説。事実ではありません
A. 量
未決事項の量が、残りの2週間に対して多すぎる。
- 確かめ方: 86件それぞれの中身と、決めるのにかかる手間(正本に記録がありません)
B. 中身
86件の中に、すぐには決められない難しい論点が含まれている。
- 確かめ方: 未決事項ごとの論点の中身(正本に記録がありません)
C. 範囲
決めるべき範囲が、途中で広がり続けている。
- 確かめ方: 未決事項の件数の増え方(正本に記録がありません)
D. 進め方
未決事項を、誰がどう決めるかの段取りがない。
- 確かめ方: 未決事項を決める段取りの記録
E. 終わり方
何がそろえば「終わった」と言えるのかが、はっきりしない。
- 確かめ方: 要件定義の終わりを判断するための記録
A〜E のどれか1つに絞る必要はありません。特定の人や部門の能力・態度を原因とする仮説は、正本に記録がないため挙げません。
AI WORKFLOW
AI に仮説を広げさせることはできます。ただし、AI の仮説は一般的な傾向であり、このケースの事実ではありません。
AI へ渡す情報: 時点・完了予定まで2週間・未決事項86件・進捗85%
AI へ渡さない情報: 推測した未決事項の例、推測した関係者の名前や部門
AI への問いの例(演習用の例です。ケースの中で実際に使われた指示文ではありません)
「次の状況で、要件定義が予定どおり終わらない原因の仮説を観点ごとに挙げ、それぞれを確かめるために必要な記録を書いてください。人名・部門名・未決事項の例は書かないでください。」
検証のしかた: AI の仮説ごとに、「このケースの記録で確かめられるか」を人間が確かめます。確かめる記録がない仮説は、仮説のまま残します。
REVIEW
AI が「担当者の調整が不足しているため、会議を増やせば2週間で終わります」とまとめることがあります(演習用に想定した回答の例です)。
- この回答は、正本に記録のない担当者や会議を前提にしています。
- 「会議を増やせば終わる」は、86件が決まらない理由を確かめないまま、対策を先に出しています。
- 仮説 D・E のように、決め方や終わり方の側を確かめる観点が抜けています。
足りない証拠: 86件をどう扱うことになっていたか、要件定義の終わりをどう判断することになっていたか。
人間が判断すること
- どの仮説から確かめるか
- 確かめ終わるまで、「2週間で終わる」と報告するのを保留するか
要件確定は、AI に最終的に任せません(正本の全体方針)。
Stage 4 追加証拠
この段階では、86件の未決事項の扱いに関わる事実を開示します。
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
この要件定義には、次のものがありませんでした。
- 優先順位
- 今回/次期/対象外基準
86件のうちどれが今回・次期・対象外に当たるか、なぜこれらが定められていなかったかは、正本に記録がありません。記録なし
TRAINING UI開示の順番について
この演習の段階の順番は、学習のために情報を示す順番です。ケースの中で、この順番で分かったという記録はありません。
TRAINING UI仮説の見直し
- 優先順位も、今回決めるもの・次期に回すもの・対象外とするものを分ける基準もなければ、86件はすべて「今回決めなければならないもの」として残ります。
- 仮説 A(量)は、量だけの問題とは言い切れなくなります。ただし、86件が多かったかどうかは正本に記録がないため、量が関係なかったとも言えません。
- 仮説 C(範囲)は、この事実とつながります。今回/次期/対象外を分ける基準がなければ、どこまでを今回決めるかの線が引けません。
TRAINING UI演習の問い
THINK
今回/次期/対象外を分ける基準があったとしたら、86件はどう見えたでしょうか。
件数の内訳は正本に記録がないため、数を当てる必要はありません。Stage 3 の仮説のうち、この事実で考えが変わったものを書いてください。
AI WORKFLOW
AI へ渡す情報: 5つの仮説と、優先順位・今回/次期/対象外基準がなかったという事実
AI への問いの例(演習用の例です)
「要件定義の未決事項を、今回・次期・対象外に分ける基準を作るとき、決めておくべき観点を一般論として挙げてください。このケースの未決事項の例は書かないでください。」
検証のしかた: AI が未決事項の具体例や件数の内訳を書いていたら削除します。どの未決事項を次期や対象外に回すかは要件の確定にあたるため、AI には決めさせず、人間が決めます。
Stage 5 決定的証拠
この段階では、要件定義を「終わった」と判断することに関わる事実を開示します。
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
この要件定義には、完了条件がなく、意思決定者もいませんでした。
誰が意思決定者であるべきだったか、85% が何を数えた値かは、正本に記録がありません。記録なし
TRAINING UI開示の順番について
この演習の段階の順番は、学習のために情報を示す順番です。ケースの中で、この順番で分かったという記録はありません。
Stage 4 と Stage 5 に事実を分けたのも、学習のための分け方です。この段階の2つが、Stage 4 の2つより重い原因だったという記録はありません。
TRAINING UIここで短絡してはいけないこと
- 「決める人がいなかったから」と、1つの事実だけで説明して終わらせない。
- 特定の人の責任に置き換えて終わらせない(誰が関わっていたかは正本に記録がありません)。
TRAINING UI演習の問い
THINK
完了条件がなく、意思決定者もいないとき、要件定義を「終わった」と言えるのは、誰が、何を見たときでしょうか。
Stage 4 で開示した事実と合わせて、進捗が85%でも要件定義を閉じられない理由を、自分の言葉で書いてください。
AI WORKFLOW
AI へ渡す情報: 症状の3つの数字、Stage 4・5 で開示した4つの事実、あなたが書いた考え
AI への問いの例(演習用の例です)
「次の私の考えのうち、示された事実から言えることと、私の推測を分けてください。推測を事実のように書き換えないでください。」
検証のしかた: AI の仕分けが正本の事実の範囲に収まっているかを人間が確かめます。AI が「意思決定者には○○を置くべきだった」のように人や役職を埋めていたら、正本に記録がないため削除します。
Stage 6 真因
この段階では新しい事実は加えません。Stage 4・5 で開示した4つの事実を、1つの構造としてまとめます。
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
真因
完了条件、意思決定者、優先順位、今回/次期/対象外基準がない
Stage 4・5 で分けて示した4つは、正本では、この真因の1行にまとめて書かれています。
TRAINING UIなぜ85%でも要件定義が終わらないのか
症状
完了予定まで2週間、未決事項86件、進捗85%。
未決事項が減らない構造
優先順位も、今回/次期/対象外基準もありませんでした(Stage 4)。
そのため、86件のどれを先に決め、どれを今回は決めなくてよいかを分けられません。
要件定義を閉じられない構造
完了条件がなく、意思決定者もいませんでした(Stage 5)。
そのため、何がそろえば終わりなのかを示せず、終わりを決める人もいません。
管理上の問題
要件定義を「どうなったら終わるか」「誰が終わりを決めるか」「何を今回決めるか」を決めないまま進めていました。
重要
正本は、進捗の数値そのものを問題にしていません。問題にしているのは、進捗が高くても要件定義を閉じるための4つがなかったことです。
4つのうち、どれが最も大きかったかは正本に記録がありません。記録なし
仮説 A(量)と B(中身)は、正本の真因には含まれていません。ただし、関係がなかったとも書かれていないため、否定もしません。
TRAINING UI演習の問い
THINK
Stage 3 であなたが有力と考えた仮説は、この真因とどう重なり、どう違いましたか。
Stage 7 対応・成果物更新
最初に考えること
M3.5 の時点で実際に何をしたのか、その結果どうなったのかは、正本に記録がありません。記録なし
ここでは、正本の真因と、人間が判断するという原則をもとに、残り2週間で何を判断する必要があるかを考えます。
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
- AI は意思決定責任者ではありません。
- 要件確定は、AI に最終的に任せません。
これはプロジェクト全体の方針です。CR01 の中で実際に行われた対応の記録ではありません。
人間が判断すること
何を確定する必要があるか
- 要件定義の完了条件を、今から定めるか
- 86件を今回/次期/対象外に分ける基準
- 分けた結果と、決める順番(優先順位)
- 完了予定(2週間後)を守るか、見直すか
誰が判断すべきか
- 上のそれぞれを、どの役割の人が最終的に決めるか(意思決定者)
- 完了予定を見直す場合、誰に報告し、誰が承認するか
このケースで誰が判断すべきだったかは、正本に記録がありません。記録なし この演習では、正解となる人物・会議体・期限を示しません。
AI に任せてよいこと・任せてはいけないこと
任せてよいこと(下書きとして。最終確認は人間)
- 未決事項の一覧を、今回/次期/対象外に分ける観点ごとに整理する下書き
- 完了条件の案を書くための書式の下書き(中身は人間が決める)
- 決めたことを記録する様式の下書き
任せてはいけないこと
- 要件の確定
- 完了条件の決定
- どの未決事項を次期や対象外に回すかの決定
- 完了予定を見直すかどうかの判断
AI への問いの例(演習用の例です)
「要件定義の完了条件を書くための書式案を作ってください。項目名だけを挙げ、中身は空欄にしてください。このケースの要件や未決事項の例は書かないでください。」
検証のしかた: AI が書式の中身(具体的な条件・人名・期限)を埋めていたら削除します。書式に何を書くかは人間が決めます。
演習
残り2週間の最初に、何を確定させる必要がありますか。それを確定させるのは、どの役割の人ですか。
人名や会議体の名前ではなく、役割で書いてください。
成果物で見直す観点
- 要件定義の完了条件と、確定した要件の記録
- 未決事項の今回/次期/対象外の区分と、優先順位
- 誰が何を決めたかの記録
- 完了予定を見直す場合のスケジュールへの反映
学習上の接続(正式な対応関係ではありません):
接続先の成果物にある記載例は、学習用のサンプルです。CR01 のケースの事実ではありません。
Stage 8 / 8
Stage 8 再発防止
正本が示す再発防止を確かめ、「いつ」「何を」決めておけばよかったかにつなげます。
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
再発防止: 要件定義開始時に完了条件を定義
TRAINING UI正本の再発防止の読み方
- いつ: 要件定義の開始時。終わりそうにないと分かってからではなく、始める時点で定めます。
- 何を: 完了条件。
要件定義がいつ始まったかは、正本に記録がありません。記録なし
真因の4つのうち、正本が再発防止として挙げているのは完了条件だけです。意思決定者・優先順位・今回/次期/対象外基準をどう防ぐかは、正本に記録がありません。記録なし
TRAINING UIここから先は、あなた自身の検討です
次の問いへの答えは、正本の再発防止ではありません。あなたが考える案です。
- 要件定義の開始時に、完了条件のほかに何を決めておきますか(意思決定者・優先順位・今回/次期/対象外基準について)。
- それを、誰の承認で決めますか(人名ではなく役割で)。
AI WORKFLOW
AI へ渡す情報: 正本の真因と再発防止、あなたが書いた案
AI への問いの例(演習用の例です)
「この案は、完了条件・意思決定者・優先順位・今回/次期/対象外基準の4つをそれぞれ扱っていますか。扱っていないものを指摘してください。」
検証のしかた: AI の指摘は、案の抜け漏れを確かめる補助です。AI が足した策を、正本の再発防止として扱いません。どの案を、誰の承認で、いつから運用するかは人間が決めます。
最後の問い
この問題をもっと早く発見するには、要件定義のどの時点で、何を確かめる必要があったでしょうか。
要件定義の開始時に完了条件が定められていたら、M3.5 の「85%・86件」はどう違って見えたでしょうか。
CR01で覚えてほしいこと
進捗が85%でも、要件定義が終わりに近いとは限りません。
完了条件・意思決定者・優先順位・今回/次期/対象外の基準がなければ、進捗の数字が高くても、要件定義を閉じることはできません。
正本の再発防止は、要件定義の開始時に完了条件を定義することです。
学習上の接続(正式な対応関係ではありません):
LEARNER HYPOTHESISあなたの考え。事実ではありません
Stage 8 の記録
学習状況
状態:未着手