これは何か
プロジェクト計画書は、憲章で決めた目的と範囲を実現するために、プロジェクトを「どう進めるか」を1つにまとめ、体制・スケジュール・課題・変更・報告などの詳しい文書への入口を示す成果物です。
新しく参加した人が、最初の1週間で「会議はいつあるのか」「困ったことは誰に上げるのか」「変更をしたいときはどうするのか」を一人ずつに聞いて回るのは大変です。計画書は、その答えがどこにあるかを示す地図の役割を持ちます。
PRG-001 プロジェクト憲章 との違いは、扱う問いです。
- 憲章:なぜ・何を(目的・範囲・責任者・大きな節目)。短く、スポンサーが承認する
- 計画書:どう進めるか(進め方・管理の仕方・文書のつながり)。憲章を土台に、責任者と PMO が作り、改訂していく
なぜ作るか
- 120人が、同じ進め方・同じ管理の仕方で動けるようにする
- 体制・スケジュール・課題・変更・報告の文書が、ばらばらに作られるのを防ぐ
- 「この場合はどうするのか」の問いに、文書で答えられるようにする
- ベンダーが加わっても、プロジェクトの決まりを同じように伝えられる
誰が使うか・いつ作るか
- 作る人:プロジェクトの責任者と PMO(03-02)
- 使う人:各チームのリーダー、ベンダーの PM、新しく参加した人
- 一般的には、憲章の承認の後、正式なキックオフの前後に作り、進め方が変わるたびに改訂します
- アステリア案件の計画書の中身・作成者・承認者は、正本に記載がありません。未確定
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
計画に関係する記載
- 大規模基幹システム刷新。約120人規模、マルチベンダー(Vendor 4社)、AI活用あり
- 約1,500件の要件、約36本のシステム連携、10年分のデータ移行
- M-6 構想開始、M0 正式キックオフ、M18 本番稼働、M21 初期安定化完了
- P-003 西村 俊介 — プログラムマネージャー
- P-004 田辺 彩 — PMOリーダー
- 成果物として PRG-001〜PRG-010 がある
プログラムマネージャーや PMOリーダーが計画書を作ったという記載、アステリア案件の工程の分け方・会議体・報告の周期は、正本に記載がありません。未確定
主な項目
一般的には、次の章で構成し、詳しい中身は専用の成果物に任せます。
- 前提:憲章の目的・範囲・節目への参照
- 進め方:工程の分け方と、工程どうしのつながり
- 体制と役割
- スケジュール
- 課題とリスクの管理
- 決めたことの記録と、判断の上げ方
- 変更の手続き
- チームをまたぐ依存の管理
- 報告と会議
- 品質・テスト・AIの使い方などの方針:それぞれの方針の文書への参照
教材用サンプル成果物の読み方を学ぶための例
教材用サンプル — 計画書の章と詳しい文書
この成果物は学習用サンプルです。FROZEN正本に記載されたCASE FACTと、成果物の読み方を学ぶための教材用サンプル値を区別して表示しています。
内容はすべて教材上の架空の例で、アステリア案件の記録ではありません。計画書の本文には「決まり」を短く書き、中身は右の列の成果物に任せる形を示しています。
読み方
- 憲章との対応を確かめる(目的・範囲・節目が同じか)
- 自分のチームに関係する章を探し、詳しい文書へたどる
- 困ったときの上げ方(課題・判断・変更)の違いを確かめる
- 最新の版か、改訂の履歴を確かめる
書き方
- 憲章の目的・範囲・節目を参照し、書き写さない(食い違いを防ぐ)
- 章ごとに「決まり」を短く書き、中身は専用の成果物に任せる
- 専用の成果物がまだないときは、いつ・誰が作るかを書く
- 会議の数と目的を最小限にする(03-04)
- 各チームのリーダーとベンダーの PM に読んでもらい、分かりにくい章を直す
何を書いてはいけないか
- 詳しい文書と同じ中身の書き写し(どちらかが古くなる)
- 「必要に応じて協議する」だけで、誰に上げるかが分からない書き方
- 憲章と違う目的・範囲・節目
どこを見るか
- 憲章と、目的・範囲・節目が一致しているか
- 章ごとに、詳しい文書への参照があるか
- 課題・判断・変更の上げ方が、それぞれ分かれて書かれているか
- チームをまたぐ依存を管理する方法があるか
- 改訂の履歴があり、最新の版が1つに決まっているか
赤信号
- キックオフの後、一度も改訂されていない
- 参照先の成果物が、作られていないまま
- ベンダーごとに別の進め方が書かれている
- 計画書を読んでも、困ったときに誰に上げるかが分からない
よくある失敗
- 計画書を厚くしすぎて誰も読まず、実際の進め方と離れていく
- 憲章の内容を書き写し、憲章が改訂されても計画書が古いまま残る
- ベンダーの進め方との違いを、計画書で調整しないまま始める
関係するUnit・成果物・危機演習
- Unit:03-02 PMOとは何をする組織なのか、03-04 会議だらけにならないための会議設計、03-05 プロジェクトの問題をどう管理するか、00-04 120人はどうやって仕事をするのか
- 成果物:PRG-001 プロジェクト憲章、PRG-003 プロジェクト体制図、PRG-005 全体スケジュール、PRG-009 依存関係一覧、PRG-010 プロジェクト状況報告書
- 危機演習:この成果物を直接の題材にする危機演習はありません
AI WORKFLOW
AIは、計画書と詳しい文書の食い違いを探す下書きに役立ちます。
「このプロジェクト計画書と、参照している成果物の一覧を比べ、①参照先が書かれていない章、②参照先の成果物がまだない章、③憲章と節目や範囲の書き方が食い違う箇所、を挙げてください。どちらが正しいかは判断せず、進め方を提案しないでください。」
REVIEW
- AIが挙げた食い違いが、元の文書で本当に食い違っているか
- AIが進め方や会議体を、一般的な例で書き足していないか
- 渡した計画書と成果物が、同じ時点の版か
人間が判断すること
- プロジェクトの進め方と管理の仕方
- 詳しい文書を、いつ、誰が作るか
- 計画書を改訂するか。改訂を誰が承認するか
いつ使うか
この教材では STAGE 03|120人をどう動かすのか の文脈で扱います。 アステリア案件での正式な作成・使用時期(月)は正本に記載がないため、未確定としています。
最後の問い
途中から参加した人がこの計画書を読んで、「このプロジェクトはどう進め、困ったときにはどの文書を見て、誰に相談すればよいか」を答えられますか?