OPS-008

災害復旧計画・訓練結果

分類:OPERATIONS実物サンプルあり

これは何か

災害復旧計画・訓練結果は、地震や火災、データセンターやクラウドの広い範囲の停止のような大きな災害で、ふだんの場所でシステムが動かせなくなったときに、どの業務を、どこで、どれだけの時間で、どの時点のデータまで戻すかを決めた計画と、それを訓練で試した結果をまとめた成果物です。

ふだんの障害なら、同じ場所で部品を直したり入れ替えたりして戻します。大きな災害では、その場所そのものが使えません。別の場所に用意した設備やデータの控えを使って戻すことになり、ふだんとは違う手順と判断が必要になります。

止めてよい時間の考え方は 06-03 システムは何時間止められるのか、失ってよいデータの考え方は 06-04 どこまでデータを失ってよいのか で学びます。

なぜ作るか

関連する成果物との違い

誰が使うか・いつ作るか

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

災害復旧に関係する記載

  • システムは 11(SYS-01 新基幹システム〜SYS-11 監視・ログ基盤)
  • Vendor B / クラウドブリッジの担当範囲に、クラウド基盤・ネットワーク・監視が含まれる
  • Vendor D / タイムリンク — 勤怠・工数管理SaaS(SYS-03)
  • データの正本:正式な会計残高・正式な会計仕訳は FIN-CORE(SYS-02)
  • 10年分のデータ移行
  • M18 本番稼働

アステリア案件で、どのシステムを別の場所で戻せるようにするか、各社がどこまで責任を持つか、外部のサービス(SYS-03)が災害のときにどう戻るかは、正本に記載がありません。未確定 一般的には、外部のサービスの復旧は提供元の仕組みに頼るため、提供元がどこまで約束しているかを確かめます。

主な項目

一般的には、次の項目で構成します。

  1. 想定する災害と戻す順番:対象にする事態、業務とシステムの優先順位
  2. 業務ごとの目標:目標復旧時間と目標復旧時点
  3. 戻す場所と用意するもの:別の場所の設備、データの控えの取り方と置き場所
  4. 発動の判断:誰が、どんな状況で「災害復旧に切り替える」と決めるか
  5. 手順と連絡:切り替え・データの戻し・確認・利用者への案内、各社の窓口と代わりの連絡手段、ふだんの場所に戻す手順
  6. 訓練の計画と結果:何をいつ試すか。目標と実際、分かった問題、直すことと担当・期限

教材用サンプル成果物の読み方を学ぶための例

教材用サンプル — 戻す順番と、訓練の結果

この成果物は学習用サンプルです。FROZEN正本に記載されたCASE FACTと、成果物の読み方を学ぶための教材用サンプル値を区別して表示しています。

次の表は、計画と訓練の結果の書き方を学ぶための例です。内容はすべて教材上の架空の例で、アステリア案件の記録ではありません。時間の値は「○」のように伏せています。

順番 業務(教材上の例) 目標復旧時間 目標復旧時点 戻す場所 戻すまでの業務の代わり
1 利用者の本人確認(ログインの仕組み) ○時間 前日の終わり 別の地域の設備 なし(ほかの業務の前提)
2 請求書を作る業務 ○時間 ○時間前 別の地域の設備 急ぎのものだけ手作業で作る
3 社内向けの集計 ○日 前日の終わり 別の地域の設備 戻るまで止める
訓練 試した範囲 目標との比較 分かった問題 直すこと・担当・期限
DR-EX-01 請求書を作る業務を別の地域の設備で戻す 目標復旧時間内に戻った 戻した先で、帳票の印刷の設定が抜けていた 設定を控えの対象に加える・基盤の担当・次の訓練まで
DR-EX-02 データの控えから戻す 目標復旧時点を守れた 連絡先の一覧に、異動した人が残っていた 一覧の見直しを定期作業にする・運用の担当・1か月以内
DR-EX-03 発動の判断の机上訓練 ― 判断する人が不在のときの代わりが決まっていなかった 代わりの人を決める・システムの責任者・次の訓練まで

読み方

  1. 戻す順番が、業務の重さの順になっているか。ほかの業務の前提になる仕組みが先に来ているか
  2. 業務ごとの目標が、要件で決めた値とそろっているか
  3. 戻すまでの業務の代わり(手作業など)が、業務の側で準備されているか
  4. 発動を判断する人と、その人が不在のときの代わりが決まっているか
  5. 訓練で目標を守れたか。分かった問題に、担当と期限が付いているか

書き方

  1. 業務の責任者と、業務ごとの重さと目標を確かめる(要件で決めた値から始める)
  2. 別の場所に何を用意し、データの控えをどこに置くかを決める
  3. 発動の判断、手順、体制と連絡を書く
  4. 小さな範囲の訓練(データの控えから戻す、机の上で判断を試す)から始め、範囲を広げる
  5. 訓練のたびに、目標との比較と分かった問題を記録し、計画を直す

何を書いてはいけないか

どこを見るか

  1. 戻す順番と、業務ごとの目標
  2. 別の場所とデータの控え
  3. 発動の判断と、代わりの人
  4. 業務の側の代わりの方法
  5. 訓練の結果と、直したこと

赤信号

  • 一度も訓練をしていない、または机の上の確認だけで終わっている
  • データの控えが、本番と同じ場所にしかない
  • 訓練で分かった問題に、担当も期限も付いていない

よくある失敗

関係するUnit・成果物・危機演習

AI WORKFLOW

AIは、計画と訓練の結果の抜けを探す下書きに役立ちます。

「この災害復旧計画と訓練の結果を読み、①目標復旧時間または目標復旧時点が書かれていない業務、②一度も訓練で試されていない手順、③訓練で分かった問題のうち担当または期限がないもの、を挙げてください。目標の値や戻す順番を提案しないでください。」

REVIEW

  • AIが挙げた抜けを、人が計画と訓練の記録で確かめたか
  • AIが目標の時間や設備の構成を推測で書き足していないか
  • 設備の構成など、外に出すと危険な情報を AI に渡していないか

人間が判断すること

  • 業務ごとの目標と、戻す順番
  • 別の場所の設備にどこまで費用をかけるか
  • 災害復旧に切り替えるかどうか(発動の判断)

いつ使うか

この教材では STAGE 06|壊れることを前提に設計する の文脈で扱います。 アステリア案件での正式な作成・使用時期(月)は正本に記載がないため、未確定としています。

最後の問い

この計画と訓練の結果を読んだ人は、「大きな災害のとき、どの業務を、どれだけの時間で、どの時点のデータまで戻せるか。それを訓練で確かめたか」を説明できますか?

学習上の接続

教材上の学習接続です。成果物とUnitの正式な対応表はbaselineにないため、正式な関連付けとしては登録していません。

  • Stage:未確定(baselineに対応表なし)
  • 危機演習:未確定(baselineに対応表なし)
  • 人物:未確定(baselineに対応表なし)