これは何か
障害対応計画は、本番で障害が起きる前に、「障害をどう判断し、誰が集まり、誰が指揮し、誰にどう知らせるか」を決めておく成果物です。
障害が起きてから体制を考えると、判断も連絡も遅れます。起きる前に決めておくことで、障害のときは「決めたとおりに動く」ことに集中できます。障害が起きたあとの記録は障害報告書(OPS-005)、振り返りは障害振り返り報告書(OPS-006)に残します。
なぜ作るか
- 障害の重大度に応じて、誰を呼び、どこまで報告するかを迷わないようにする(13-02)
- 指揮役と役割の分け方を、事前に決めておく(13-03)
- 複数の会社が関わるシステムで、会社をまたいだ連絡の道筋を決めておく
- 訓練で計画を試し、実際に使えるかを確かめる
誰が使うか・いつ作るか
- 作る人:運用の担当、本番移行・運用の責任者。システムを担当する各社の担当も加わる
- 承認する人:プロジェクトの責任者、運用の責任者
- 使う人:障害のときに対応する全員、報告を受ける人
- 一般的には、本番稼働の前に作り、訓練で確かめ、稼働後の実際の障害と振り返りをもとに見直します
- アステリア案件の障害対応計画の中身は、正本に記載がありません。未確定
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
障害対応に関係する記載
- M18 本番稼働、M21 初期安定化完了
- P-011 山下 恵 — 本番移行・運用リーダー
- マルチベンダー。Vendor B / クラウドブリッジの担当範囲に監視が含まれる
- システムに SYS-11 監視・ログ基盤がある
- 重大障害判断は、AIへ最終委任しない事項の1つ
アステリア案件の障害の重大度の基準・体制・連絡の経路・指揮役は、正本に記載がありません。未確定 上の人物の役割から、指揮役を推測しません。危機演習の出来事と対応は、危機演習の中で扱います。
主な項目
一般的には、次の項目で構成します。
- 対象:どのシステム・どの業務の障害を扱うか
- 重大度の基準:影響の大きさで段階を分け、段階ごとに体制・報告を決める
- 体制と役割:指揮役、調査・作業の担当、連絡の担当、記録の担当と、その決め方(当番表など)
- 呼び出し:誰が、どの手段で、誰を呼ぶか。夜間・休日の連絡先
- 報告:重大度ごとの報告先と、報告の間隔
- 会社をまたぐ連携:各社の窓口、連絡の手段、どの会社が何を調べるか
- システムを変える操作の決まり:障害の最中の変更は、誰の許可で行うか
- 記録:何を、誰が、どこに残すか
- 使う手順書:個別の障害の手順書(運用手順書など)の場所
- 訓練と見直し:いつ訓練し、いつ見直すか
教材用サンプル成果物の読み方を学ぶための例
教材用サンプル — 重大度ごとの体制と報告
この成果物は学習用サンプルです。FROZEN正本に記載されたCASE FACTと、成果物の読み方を学ぶための教材用サンプル値を区別して表示しています。
次の表は、計画の書き方を学ぶための例です。段階・体制・報告の間隔は、すべて教材上の架空の例で、アステリア案件の計画ではありません。
| 重大度(教材上の例) | 指揮役 | 集まる人 | 報告先 | 報告の間隔(教材上の例) |
|---|---|---|---|---|
| 1(最も重い) | 当番表で決めた指揮役 | 関係する全システムの担当、連絡の担当、記録の担当 | 経営層・利用部門の責任者 | 決めた間隔で定期的に |
| 2 | 当番表で決めた指揮役 | 関係するシステムの担当、連絡の担当 | 運用の責任者・利用部門の責任者 | 状況が変わるたび |
| 3 | 担当チームのリーダー | 担当チーム | 運用の責任者 | 対応が終わったとき |
| 項目 | 決めておくこと(教材上の例) |
|---|---|
| 各社の窓口 | 会社ごとの連絡先(夜間・休日を含む) |
| 集まる場所 | 障害のときに使う連絡の場(会議の部屋・チャットの部屋など) |
| 調べる範囲 | どの会社が、どのシステムを調べるか |
| 変更の許可 | 各社がシステムを変えるときは、指揮役の許可を得る |
読み方
- 重大度ごとに、指揮役・集まる人・報告先が決まっているか
- 夜間・休日の連絡先が、個人の名前だけでなく当番の仕組みになっているか
- 会社をまたいだ連絡の道筋と、調べる範囲の分担があるか
- 障害の最中の変更を、誰が許可するかが書かれているか
- 訓練の予定と、前回の訓練で直したことが書かれているか
書き方
- 対象のシステムと業務を洗い出す
- 重大度の基準を決め、段階ごとの体制と報告を決める
- 指揮役の決め方(当番表など)と、役割の分け方を決める
- 会社ごとの窓口と、会社をまたぐ連携の決まりを、各社と合意する
- 障害の最中の変更の決まりと、記録の仕方を決める
- 訓練を行い、うまくいかなかったところを直す
何を書いてはいけないか
- 「関係者で協力して対応する」のような、誰が何をするか分からない書き方
- 特定の1人がいないと動けない体制
- 訓練をしていないのに「計画あり」とすること
どこを見るか
- 重大度の基準と、段階ごとの体制・報告
- 指揮役の決め方
- 夜間・休日の連絡と呼び出し
- 会社をまたぐ連携
- 訓練の結果と見直し
赤信号
- 指揮役の欄が空欄、または「その場で決める」
- 連絡先の一覧が古い(異動した人の名前が残っている)
- 各社の窓口が決まっていない
- 一度も訓練をしていない
よくある失敗
- 計画を作ったが、障害のときに誰も開かない(どこにあるか知られていない)
- 連絡先の一覧を更新せず、いざというときにつながらない
- 実際の障害の振り返りで分かったことを、計画に反映しない
関係するUnit・成果物・危機演習
- Unit:13-03 障害対応を誰が指揮するのか、13-02 障害の重大度を判断する、13-01 本番障害が起きたら最初に何をするか、13-04 復旧と原因調査は分けて考える
- 成果物:OPS-005 障害報告書、OPS-006 障害振り返り報告書、OPS-002 監視・アラート一覧
- 危機演習:CR12 本番初日に複合障害(学習上の接続です。正式な対応関係ではありません)
AI WORKFLOW
AIは、計画の抜けを探す下書きに役立ちます。
「この障害対応計画について、①重大度ごとに指揮役・集まる人・報告先のどれかが空欄の箇所、②夜間・休日の連絡先がない箇所、③会社ごとの窓口がない会社、を挙げてください。体制を決めたり、連絡先を推測で埋めたりしないでください。」
REVIEW
- AIが挙げた抜けを、人が計画で確かめたか
- AIが連絡先や担当を推測で埋めていないか
- 抜けを埋める担当と期限を、人が決めたか
人間が判断すること
- 重大度の基準と、段階ごとの体制
- 指揮役を誰が務めるか
- 障害のときに、業務を止めるか続けるか
重大障害判断は、AIへ最終委任しない事項です(正本の方針)。
いつ使うか
この教材では STAGE 13|本番で障害が発生した の文脈で扱います。 アステリア案件での正式な作成・使用時期(月)は正本に記載がないため、未確定としています。
最後の問い
夜中に重大な障害が起きたとき、この計画を読めば、誰が呼ばれ、誰が指揮し、誰に何を報告するかがすぐに分かりますか?