Unit 06-01(STAGE 06 の 1 / 7)

非機能要件とは何か

学習状況:未着手

このユニットの結論

非機能要件は、「システムが壊れたり混んだりしたときに、業務をどこまで守るか」を、数値と条件で約束するものです。

システムはいつか遅くなり、止まり、データを失う可能性があります。STAGE 06 は、そのことを前提に設計する考え方を学びます。

1. 何の話か

04-03 機能要件と非機能要件 では、非機能要件を「どのように動くか」の要件として学びました。

このユニットでは、STAGE 06「壊れることを前提に設計する」の入口として、非機能要件の中でも特に、

という問いを、どう考えるかを整理します。

2. なぜ必要か

業務部門に「システムは止まってもよいですか」と聞けば、多くの場合「止まっては困る」と答えます。

しかし、止まらない仕組みには費用がかかります。どこまで守るかを決めずに作ると、

のどちらかになりがちです。

3. このユニットで分かること

4. 代表的な4つの問い

問い よく使われる言葉 意味
何人まで使えればよいか 同時利用者数・処理量 一度に使う人数や処理の量の上限
何時間止められるか RTO(目標復旧時間) 止まってから、使えるように戻すまでの目標時間
どこまでデータを失ってよいか RPO(目標復旧時点) 障害のとき、どの時点までのデータを取り戻せればよいか
どれくらい止まらずに動くか 可用性 使える状態でいる時間の割合

どれも、業務ごとに答えが違います。請求の締めの日に止まる業務と、月に一度しか使わない業務では、必要な守り方が違います。

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

アステリア案件に関係する記載

  • 約120人規模のプロジェクト
  • M18 本番稼働、M21 初期安定化完了
  • STAGE 06 のUnit:06-01 非機能要件とは何か、06-02 何人まで利用できればよいのか、06-03 システムは何時間止められるのか、06-04 どこまでデータを失ってよいのか、06-05 「絶対に止まらない」は要件になるのか

アステリア案件の同時利用者数・RTO・RPO・可用性の目標値は、正本に記載がありません。未確定 このユニットでは数値を決めず、考え方を学びます。

5. 「絶対に止まらない」は要件か

一般的に、「絶対に止まらない」はそのままでは要件になりません。確かめる方法がなく、費用の上限もないからです。

実務では、

に言い換えます。言い換えることで、費用と守り方を比べられるようになります。

6. THINK — 全部の業務を最高水準で

業務部門から、「すべての業務について、止まらない・データを失わない水準にしてほしい」という要望が出ました。

問題

そのまま非機能要件にしてよいでしょうか。

判断例を開く

判断

そのままにはしません。

確認すること:

  • 止まると業務や取引先に大きな影響が出る業務はどれか
  • 止まっても、手作業などで一時的に回せる業務はどれか
  • 水準を上げると、費用と作業はどれだけ増えるか
  • 目標を満たしているかを、どう確かめるか

業務ごとに重みを付け、守り方を分けて考えます。

7. よくある失敗

8. 成果物との接続

危機演習 CR06 性能目標2秒に対して32秒 は、性能の問題が見つかった場面を扱います(学習上の接続です。正式な対応関係ではありません)。

9. AI WORKFLOW — 業務ごとの影響を整理させる

指示例:

「次の業務一覧について、止まったときの影響(取引先・社内・法令・お金)を観点ごとに整理し、確認すべき質問を挙げてください。止まってよい時間やデータを失ってよい範囲の数値は提案しないでください。」

AIは、影響を整理する下書きや、業務部門への質問票づくりに役立ちます。

10. REVIEW — AIの整理を確認する

  • 業務の重さを、AIが一般論で決めつけていないか
  • 数値の目標を、提案として書き足していないか
  • 業務部門に、実際の困りごとを確かめたか

11. 人間が判断すること

  • 業務ごとの目標値(利用人数・停止時間・データ損失・可用性)
  • 目標を満たすための費用を受け入れるか
  • 目標を満たせない場合に、業務側で何を準備するか

12. 判断演習

次の2つの業務について、止まったときの影響を比べ、守り方をどう分けるかを考えてください。

  • 毎日使う、請求データを作る業務
  • 月に一度使う、社内向けの集計

数値を決める必要はありません。「何を確かめて決めるか」を書いてください。

あなたの記録あなたの考え。事実ではありません

判断ノート

既定では保存しないため、ページを離れると消えます。

このユニットで覚えてほしいこと

非機能要件は、壊れたときに業務をどこまで守るかの約束です。

「絶対に」ではなく、業務ごとに、数値と条件で決めます。

次に読むもの

本文で参照している成果物:REQ-003 非機能要件一覧、OPS-007 サービス品質目標一覧、OPS-008 災害復旧計画・訓練結果

関連成果物:未確定(baselineに対応表なし)

関連危機演習:未確定(baselineに対応表なし)

学習状況

状態:未着手