Unit 13-02(STAGE 13 の 2 / 7)

障害の重大度を判断する

学習状況:未着手

このユニットの結論

本番で障害が起きたときの重大度は、「どれだけ業務と利用者に影響しているか」で決めます。原因が分かってから決めるものではありません。

情報が少ない最初の時点で、事前に決めた基準で仮の重大度を付けて対応の体制を動かし、情報が増えるたびに見直すことが大切です。

1. 何の話か

このユニットは、本番で起きた障害の重大度の判断の話です。

テストで見つかった不具合の重大度(10-05)は、直す順番を決めるために、落ち着いて付けることができます。本番の障害は違います。業務が止まっているかもしれない中で、限られた情報から、急いで決める必要があります。

重大度によって、誰を呼ぶか、誰に報告するか、どのくらいの間隔で状況を伝えるかが変わります(13-01)。

2. なぜ必要か

重大度の判断が遅れたり、ずれたりすると、

ということが起きます。

3. このユニットで分かること

4. 重大度を決める観点

一般的には、次のような観点で基準を作ります。

原因は、この観点に入っていません。原因が分からなくても、影響は確かめられるからです。

教材用サンプル基準の書き方を学ぶための例

重大度 基準(教材上の例) 対応の例(教材上の例)
1(最も重い) 重要な業務が全体で止まっている。または社外に影響が及んでいる 指揮役を置き、関係者を集める。経営層へすぐ報告。決めた間隔で状況を共有
2 重要な業務の一部が止まっている。回避策はあるが負担が大きい 指揮役を置く。責任者へ報告
3 業務は続けられる。一部の機能に不便がある 担当チームで対応。通常の報告
4 業務への影響がほとんどない 通常の問い合わせとして対応

段階の数・基準・対応は教材上の例で、アステリア案件の基準ではありません。

5. 最初の判断と見直し

障害の最初の時点では、分かっていることが少ないのが普通です。

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

アステリア案件に関係する記載

  • M18 本番稼働、M21 初期安定化完了
  • システムに SYS-11 監視・ログ基盤がある
  • P-011 山下 恵 — 本番移行・運用リーダー
  • AIへ最終委任しないことに「重大障害判断」がある

アステリア案件の障害の重大度の段階・基準、重大度を決める人、報告の経路は、正本に記載がありません。未確定

6. THINK — 夜間の連携が一部失敗した

朝、監視の担当者が、夜間に動く連携の処理が一部失敗していたことに気づきました。今のところ、利用者からの問い合わせはありません。担当者は次のように言っています。

「誰も困っていないようなので、重大度は低くしておきます。原因は昼に調べます。」

問題

この判断でよいでしょうか。

判断例を開く

判断

まだ決められません。「問い合わせがない」ことは、「影響がない」ことの証拠ではありません。

確認すること:

  • 失敗した連携のデータは、どの業務で、いつ使われるか(今日の締め切りのある処理に使われていないか)
  • 失敗したデータの件数と範囲
  • 連携先のシステムで、古いデータや欠けたデータのまま業務が進んでいないか
  • 再び処理すれば回復できるか。二重に処理されるおそれはないか

影響を確かめるまでは、仮の重大度で体制を動かし、確かめた結果で見直します。

7. よくある失敗

8. 成果物との接続

誰が障害対応を指揮するかは 13-03 障害対応を誰が指揮するのか で学びます。危機演習 CR12 本番初日に複合障害 では、稼働初日の障害の場面を体験します(学習上の接続です。正式な対応関係ではありません)。

9. AI WORKFLOW — 影響の情報を整理させる

AIは、監視の通知や問い合わせから、影響の情報を整理する下書きに役立ちます。

指示例:

「次の監視の通知と問い合わせの記録を、影響を受けている業務・利用者・データごとに整理し、まだ確かめられていないことを挙げてください。重大度は付けず、原因も推定しないでください。」

10. REVIEW — AIの整理を確認する

  • 整理された影響が、元の記録と合っているか
  • AIが重大度を付けたり、「影響は小さい」と結論づけたりしていないか
  • 「まだ確かめられていないこと」を、誰がいつ確かめるかを人が決めたか

ADVANCED深掘り — 実務者向けに一段深く

深掘り — 重大度の行列と、暫定の判定

3 つの軸で機械的に仮決めする

影響の範囲(全社か、一部門か、一部の利用者か)、業務への影響(止まるか、遅れるか、不便か)、回復の見込み(すぐか、数時間か、分からないか)。この 3 つの組み合わせで重大度を機械的に仮決めする表を、障害の前に作っておきます。その場の判断に頼ると、人によって重さが変わり、連絡が遅れます。

暫定と言い切って動く

最初に入ってくる情報は不完全です。「仮に重大度 A として動く」と宣言し、情報が増えたら見直します。見直しの時刻(たとえば 30 分後)を決めておくと、仮の判定が放置されません。最初から正確に決めようとして動き出しが遅れるより、仮で動いて直す方が被害は小さくなります。

重大度ごとに連絡の階層を決める

重大度ごとに、誰に、何分以内に、どの手段で知らせるかを決めます。重大度が高いほど、連絡は上へ早く届く必要があります。連絡の文面も型を決めておくと、慌てていても必要な項目が抜けません。

重大度と優先度は別

影響が小さい障害でも、締めの処理の直前なら優先度は上がります。重大度は被害の大きさ、優先度はいつ手を付けるかです。混ぜると、小さいが急ぐ障害が後回しになります。

現場で確かめる問い

  • 重大度を機械的に仮決めする表が、障害の前に作られているか
  • 仮の判定を見直す時刻が決まっているか。最近の障害で見直しは行われたか
  • 重大度ごとの連絡先・期限・手段と、連絡の文面の型が決まっているか
  • 重大度と優先度を分けて扱っているか。小さいが急ぐ障害が後回しになった例はないか

アステリア案件の重大度の基準と連絡の階層は、正本に記録がありません。記録なし

11. 人間が判断すること

  • 障害の重大度(最初の判断と、見直し)
  • 重大度に応じて、誰を呼び、誰に報告するか
  • 業務側に回避策(手作業など)を始めてもらうか

重大障害判断は、AIへ最終委任しない事項です(正本の方針)。

12. 判断演習

あなたは、障害の連絡を最初に受ける担当です。

重大度を付けるために、最初の数分で確かめる質問を4つ挙げてください。「原因は何ですか」以外の質問にしてください。

あなたの記録あなたの考え。事実ではありません

判断ノート

既定では保存しないため、ページを離れると消えます。

このユニットで覚えてほしいこと

本番の障害の重大度は、原因ではなく影響で決めます。

情報が少ないうちは仮の重大度で体制を動かし、情報が増えるたびに見直して、その理由を残します。

次に読むもの

本文で参照している成果物:OPS-004 障害対応計画、OPS-005 障害報告書、OPS-002 監視・アラート一覧

関連成果物:未確定(baselineに対応表なし)

関連危機演習:未確定(baselineに対応表なし)

学習状況

状態:未着手