Unit 10-05(STAGE 10 の 5 / 8)

障害の重大度をどう決めるのか

学習状況:未着手

このユニットの結論

テストで見つかった不具合の重大度は、担当者の印象や声の大きさで決めるものではありません。

「業務にどんな影響があるか」を軸にした基準を、テストを始める前に決め、その基準に照らして1件ずつ付けるものです。重大度(どれだけ深刻か)と、優先度(どの順に直すか)は分けて考えます。

1. 何の話か

このユニットは、テストで見つかった不具合(テストの世界では「障害」とも呼びます)の重大度の付け方の話です。

大きなプロジェクトでは、テストで多くの不具合が見つかります。すべてを同時には直せないため、どれが深刻で、どれから直すかを決める必要があります。その土台になるのが重大度です。

本番で起きた障害の重大度の判断は、13-02 障害の重大度を判断するで扱います。

2. なぜ必要か

重大度の基準がないと、

ということが起きます。

3. このユニットで分かること

4. 重大度と優先度は違う

言葉 意味 決める軸の例
重大度 その不具合が、どれだけ深刻か 業務への影響、データへの影響、回避策の有無
優先度 どの順番で直すか 重大度に加えて、直す手間、次の工程の予定、関係する機能の数

たとえば、画面の文字の誤りは、重大度は低くても、利用者全員が毎日見る画面なら、早めに直すこともあります。逆に、重大度が高くても、その機能を使い始めるのがずっと先で、先に直すべきものがあれば、直す順番を後にすることもあります。どちらも、その判断を記録に残します。

5. 重大度の基準の作り方

一般的には、業務への影響を軸に、3〜4段階の基準を作ります。

教材用サンプル基準の書き方を学ぶための例

重大度 基準(教材上の例)
重大 業務の重要な処理ができない。データが壊れる・失われる。回避策がない
高 業務の処理はできるが、手作業などの大きな回避策が必要
中 回避策があり、業務への影響は限られる
低 見た目・表示の問題など、業務の処理に影響しない

段階の数・名前・基準は教材上の例で、アステリア案件の基準ではありません。

基準には、判断に迷ったときの例(「この場合は高」など)を添えると、担当者ごとのばらつきが減ります。

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

アステリア案件に関係する記載

  • 約1,500件の要件
  • P-010 宮田 直人 — テスト・品質管理リーダー
  • 成果物に TST-003 障害管理表、TST-004 品質状況ダッシュボードがある

アステリア案件の重大度の段階・基準、重大度を最終的に決める人は、正本に記載がありません。未確定

6. THINK — 報告した人が「重大」と書いた

利用部門の担当者から、次の不具合が「重大」として報告されました。

「一覧画面で、並び順が登録の順ではなく、名前の順になっています。とても見づらいので重大です。」

調べると、並び替えのボタンで登録の順に直すことができ、表示されるデータ自体に誤りはありませんでした。

問題

報告のとおり「重大」として扱うべきでしょうか。

判断例を開く

判断

基準に照らして付け直します。

確認すること:

  • 業務の処理ができないか。データに誤りや欠けがあるか
  • 回避策はあるか。回避策で業務が回るか
  • 影響を受ける利用者・業務は、どの範囲か
  • 報告した人の困りごとは何か(重大度とは別に、使いやすさの改善として扱う道もある)

基準で付け直した場合は、報告した人に理由を伝え、記録に残します。報告した人の困りごとを軽く扱うのではなく、重大度と優先度を分けて扱うということです。

7. 重大度を付けるときに確かめること

8. よくある失敗

9. 成果物との接続

危機演習 CR10 重大な脆弱性が発見される では、稼働の前に重大な問題が見つかった場面を体験します(学習上の接続です。正式な対応関係ではありません)。

10. AI WORKFLOW — 基準に照らした確認を手伝わせる

AIは、たくさんの不具合の記録を、基準に照らして見直す下書きに役立ちます。

指示例:

「次の重大度の基準と不具合の一覧を比べ、①基準と合っていない可能性がある記録、②回避策の有無が書かれていない記録、③影響する業務が書かれていない記録、を挙げてください。重大度を変更しないでください。」

11. REVIEW — AIの指摘を確認する

  • AIが挙げた記録を、人が基準と元の記録で確かめたか
  • AIが重大度を付け直したり、「問題ない」と判断したりしていないか
  • AIが見落としている記録がないか(特に、データに影響する不具合)

12. 人間が判断すること

  • 重大度の基準
  • 個々の不具合の重大度(特に、重大・高の判断)
  • 重大度を下げる、または例外として扱う判断

AIは、基準に照らした確認の下書きまでを手伝います。本番で起きた障害の重大度の判断は 13-02 で扱います。

13. 判断演習

あなたは、テストで見つかった不具合の重大度を付ける担当です。

次の2つの不具合のうち、重大度が高いのはどちらだと考えますか。判断のために、さらに確かめたいことも挙げてください。

  • A:月に一度だけ使う画面で、保存するとデータの一部が消える
  • B:毎日全員が使う画面で、ボタンの表示が崩れているが、操作はできる

あなたの記録あなたの考え。事実ではありません

判断ノート

既定では保存しないため、ページを離れると消えます。

このユニットで覚えてほしいこと

重大度は、業務への影響を軸にした、事前に決めた基準で付けます。

重大度(深刻さ)と優先度(直す順番)を分け、付け直した判断は理由と一緒に残します。

次に読むもの

本文で参照している成果物:TST-003 障害管理表、TST-004 品質状況ダッシュボード、SEC-005 セキュリティ評価報告書

関連成果物:未確定(baselineに対応表なし)

関連危機演習:未確定(baselineに対応表なし)

学習状況

状態:未着手