Unit 12-03(STAGE 12 の 3 / 7)

失敗したら元に戻せるか

学習状況:未着手

このユニットの結論

本番切替では、「うまくいかなかったときに元に戻す」準備が欠かせません。

戻す手順・戻すと決める条件・戻せなくなる地点・戻すのにかかる時間を、切替の前に決めて練習しておくことで、当日の判断ができるようになります。

1. 何の話か

このユニットは、切り戻し(本番切替を中止して、元のシステムでの業務に戻すこと)の話です。

12-01 本番切替計画とは何か では、切り戻し(Rollback / Backout)と、ここを超えると簡単には戻れない地点(Point of No Return)を学びました。このユニットでは、それを計画として書くことを考えます。

2. なぜ必要か

切り戻しの計画がないと、切替の当日に問題が起きたとき、

ということが起きます。

3. このユニットで分かること

4. 切り戻し計画に書くこと(一般的な例)

項目 内容
戻すと決める条件 どんな状態になったら戻すか。いつまでに判断するか
判断する人 続けるか戻すかを、誰が決めるか
戻す手順 何を、どの順で元に戻すか
戻すのにかかる時間 手順全体で、どれくらいかかるか
戻せなくなる地点 どの作業を超えると、簡単には戻れなくなるか
戻したあとの業務 元のシステムで業務を再開する手順と、関係者への連絡
練習の結果 リハーサルで、実際に戻せたか、何分かかったか

戻すのにかかる時間が分からないと、「何時までに判断すれば間に合うか」が決まりません。

5. 戻せなくなる地点

一般的に、次のような作業のあとは、簡単には戻れなくなります。

切り戻し計画では、この地点の手前に、続けるか戻すかの判断の時点を置きます。

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

アステリア案件に関係する記載

  • M18 本番稼働
  • P-011 山下 恵 — 本番移行・運用リーダー
  • AIへ最終委任しないことに「本番移行承認」「Go / No-Go」がある
  • 成果物に CUT-001 本番切替計画書、CUT-003 切り戻し計画書、CUT-004 本番切替リハーサル結果がある

アステリア案件の切り戻しの条件・手順・所要時間・判断者は、正本に記載がありません。未確定

6. THINK — 戻す手順は「逆にやる」

切り戻し計画の欄に、「切替の手順を逆の順で実行する」とだけ書かれていました。

問題

この計画で、当日に戻せるでしょうか。

判断例を開く

判断

戻せるとは言えません。

確認すること:

  • 逆の順で実行できない作業(取り消せない作業)はないか
  • 戻すのに何分かかるか、練習で確かめたか
  • 戻すと決める条件と、判断の期限は決まっているか
  • 戻したあと、業務と関係者に何をするか

「逆にやる」は手順の方針であって、計画ではありません。

7. よくある失敗

8. 成果物との接続

危機演習 CR09 本番移行が計画時間を超過 では、切替の当日に続けるか戻すかを考える場面を体験します(学習上の接続です。正式な対応関係ではありません)。

9. AI WORKFLOW — 計画の抜けを探させる

指示例:

「次の切り戻し計画を確認し、①戻すと決める条件、②判断の期限、③戻す手順の各作業の所要時間、④取り消せない作業、⑤戻したあとの業務の再開手順、のうち書かれていない項目を挙げてください。所要時間や条件の値は提案しないでください。」

10. REVIEW — AIの指摘を確認する

  • 指摘された抜けが、別の文書(切替計画など)で決まっていないか
  • AIが所要時間を一般的な値で埋めていないか
  • 練習の結果と、計画の内容が食い違っていないか

ADVANCED深掘り — 実務者向けに一段深く

深掘り — 戻れなくなる点と、不可逆な操作

戻れなくなる点を先に見つける

切替の手順のどこかに、「ここを過ぎたら、旧システムに戻すより前に進む方が安全」という時点があります。この点を事前に特定し、手順書に明記します。さらに、その点に達する前に「進むか戻るか」を判定する時刻と、判定する人を決めておきます。点を知らずに進むと、戻せると思っていた時点で戻せなくなります。

不可逆な操作を一覧にする

旧データの削除、取引先や利用者への切替の通知、相手システムへの切替の依頼、新しい番号の採番の開始。これらは一度行うと元に戻せません。一覧にして、戻れなくなる点の「後」に並べます。前に置かざるを得ないものは、戻すときの手当て(通知の取り消し文、番号の欠番の扱い)を別に用意します。

戻す手順は使われないから練習されない

戻す手順は、うまくいけば使いません。だから練習されず、いざというときに動きません。リハーサルでは、必ず一度は戻す手順を実際に通します(12-04)。

戻す判断の材料をそろえる

残り時間、終わっていない工程、業務開始までの余裕、戻すのにかかる時間。この 4 つを、判定の時刻に見られる形にしておきます。判断する人が決まっていないと、誰も決められないまま時間が過ぎます。

現場で確かめる問い

  • 切替の手順書に、戻れなくなる点が明記されているか。判定の時刻と人が決まっているか
  • 不可逆な操作の一覧があり、戻れなくなる点の後に並んでいるか
  • リハーサルで、戻す手順を実際に一度通したか
  • 戻す判断の材料(残り時間、未完の工程、業務開始までの余裕、戻すのにかかる時間)を、判定の時刻に見られるか

アステリア案件で戻れなくなる点がどこに置かれ、誰が判定したかは、正本に記録がありません。記録なし

11. 人間が判断すること

  • 戻すと決める条件と、判断の期限
  • 当日に、続けるか戻すか
  • 戻せなくなる地点を超えてよいか

本番移行承認と Go / No-Go は、AIへ最終委任しない事項です(正本の方針)。

12. 判断演習

あなたは、切り戻し計画の作成を任されました。

練習(リハーサル)で確かめたいことを3つ挙げてください。

考える観点:

  • 本当に戻せるか
  • 戻すのに何分かかるか
  • 戻したあと、業務を再開できるか

あなたの記録あなたの考え。事実ではありません

判断ノート

既定では保存しないため、ページを離れると消えます。

このユニットで覚えてほしいこと

切り戻しは、戻す条件・手順・時間・戻せなくなる地点を先に決め、練習しておくものです。

当日の判断は、その準備があって初めてできます。

次に読むもの

本文で参照している成果物:CUT-003 切り戻し計画書、CUT-001 本番切替計画書、CUT-004 本番切替リハーサル結果

関連成果物:未確定(baselineに対応表なし)

関連危機演習:未確定(baselineに対応表なし)

学習状況

状態:未着手