Unit 08-05(STAGE 08 の 5 / 7)

開発者は本番データを自由に見てよいのか

学習状況:未着手

このユニットの結論

開発者だからといって、本番のデータを自由に見たり変えたりしてよいわけではありません。

本番のデータへの接近は、目的・期間・範囲を決めて申請し、承認を得てから行い、行った操作を記録するのが原則です。開発やテストには、本番のデータをそのまま使わず、必要なら個人の情報などを伏せたデータを使います。

1. 何の話か

このユニットは、本番の環境とデータへの接近の管理の話です。

本番のデータには、顧客・社員・取引などの大切な情報が入っています。開発者は、システムに詳しく、技術的には本番のデータに触れられることが多いため、特に管理が必要です。開発・テスト・本番の環境を分ける理由は、09-03 のテーマです。

2. なぜ必要か

開発者が本番のデータに自由に触れられると、

ということが起きます。

3. このユニットで分かること

4. 基本の考え方

一般的には、次の考え方で管理します。

5. 本番の強い権限(特権)

本番のシステムの設定を変えたり、データを直接変えたりできる強い権限を、特権と呼ぶことがあります。一般的には、

という形で扱います。

6. 開発・テストで使うデータ

開発やテストでは、本番のデータをそのまま使わないのが原則です。

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

アステリア案件に関係する記載

  • SYS-09 開発・CI/CD基盤(CI/CD:自動でテストし、自動で配布する仕組み)、SYS-10 AI開発エージェント、SYS-11 監視・ログ基盤
  • Vendor B の担当範囲に IAM・CI/CD・監視が含まれる
  • P-012 石井 稔 — セキュリティ責任者
  • 成果物に SEC-003 本番特権アクセス管理表、DEV-004 環境・リリース対応表がある
  • セキュリティ例外承認は、AIへ最終委任しない事項の1つ

アステリア案件で、誰が本番のデータに接近できるか、その申請と承認の手続き、開発・テストで使うデータの扱いは、正本に記載がありません。未確定

7. THINK — 「障害の調査なので、すぐに見せてください」

本番で障害が起きました。開発の担当者から、次の依頼がありました。

「原因を調べるので、本番のデータベースを直接見られるようにしてください。急いでいるので、申請は後で出します。ついでに、おかしなデータがあったら、その場で直してしまいます。」

問題

この依頼のとおりにしてよいでしょうか。

判断例を開く

判断

このままではよくありません。急ぎであっても、分けて考えます。

確認すること:

  • 緊急時の手順(誰が承認し、どう記録するか)は、事前に決まっているか。決まっていれば、その手順で進める
  • 調査に必要なのは「見る」権限か。データを「変える」権限まで必要か
  • その場でデータを直すことは、障害対応の指揮役(13-03)が許可した変更か
  • 直す前の値と、直した操作が記録に残るか
  • 作業が終わったら、権限が外れるか

緊急の手順を事前に決めておくと、急ぎのときも、手続きを飛ばさずに速く動けます。

8. よくある失敗

9. 成果物との接続

AIに与える権限は 09-06 AIにどこまで権限を渡すか で学びます。

10. AI WORKFLOW — 特権の使用の記録を点検させる

AIは、特権の申請と使用の記録を突き合わせる下書きに役立ちます。

指示例:

「次の特権の申請の一覧と、特権を使った操作の記録を比べ、①申請のない使用、②申請の期間の外の使用、③申請の目的と関係がなさそうな操作、を挙げてください。問題があるかどうかは判断しないでください。」

11. REVIEW — AIの点検を確認する

  • AIが挙げた記録を、人が元の申請と記録で確かめたか
  • 緊急時の手順で、事後に申請されたものが正しく扱われているか
  • 記録を AI に渡してよいか(情報の扱い)を、事前に確かめたか

12. 人間が判断すること

  • 誰に、どの範囲で、本番への接近を許すか
  • 特権の申請を承認するか。緊急時の手順
  • 本番のデータを、開発やテストに使ってよいか。どう伏せるか

13. 判断演習

あなたは、本番への接近の申請を承認する担当です。

「障害の調査のため、本番のデータを見たい」という申請が来ました。承認する前に、申請の内容として確かめることを4つ挙げてください。

あなたの記録あなたの考え。事実ではありません

判断ノート

既定では保存しないため、ページを離れると消えます。

このユニットで覚えてほしいこと

本番のデータへの接近は、普段は持たせず、必要なときに目的・期間・範囲を決めて申請し、承認を得て、記録を残すものです。

緊急時の手順を事前に決めておけば、急ぎのときも手続きを飛ばさずに済みます。

次に読むもの

本文で参照している成果物:SEC-003 本番特権アクセス管理表、SEC-002 権限設計表、DEV-004 環境・リリース対応表、AI-002 AIエージェント権限表

関連成果物:未確定(baselineに対応表なし)

関連危機演習:未確定(baselineに対応表なし)

学習状況

状態:未着手