このユニットの結論
AIへの権限は、
AIの賢さではなく、失敗したときの最大影響で決めます。
権限は、
- 閲覧
- 提案
- 下書き
- 変更
- 外部実行
のように段階化します。
影響が大きい操作ほど、人間の承認を強くします。
1. 何の話か
AIは、
- 設計書を読む
- コードを書く
- テストする
- ログを分析する
- ファイルを変更する
だけでなく、ツール接続によって、
- commit
- DB変更
- cloud設定変更
- production deploy
まで可能になります。
だから、
AIに何ができるかとAIに何を許可するかを分けます。
2. 権限の5段階
- 閲覧
- 提案
- 下書き作成
- 実際の変更
- 外部実行
すべてのAIにLevel 5を与える必要はありません。
必要なところまでに限定します。
これが最小権限の考え方です。
3. THINK — テストPASSなら本番deployしてよい?
AIがコードを修正し、すべてのテストがPASSしました。
AIが、
「本番環境へデプロイします」
と提案しました。
判断例を開く
判断
テストPASSだけでは、本番実行を許可する理由にはなりません。
確認:
- 本番へ出してよい変更か
- 誰がレビューしたか
- データ影響
- rollback
- 時間帯
- 障害時連絡
4. 判断軸
失敗時の影響
ローカル変更と本番DB変更は同じではない。
可逆性
削除、外部送信、支払などは戻せない可能性がある。
対象環境
local / development / test / staging / production
触れる情報
個人情報、顧客情報、password、API key、secret keyなど。
5. 権限設計
- AIに任せる仕事を決める
- 必要な権限だけ与える
- 危険操作へ承認ゲートを置く
- 操作記録を残す
- 失敗時の停止・rollbackを決める
6. 自動化率100%が目的ではない
AI時代でも、
自動化率100%が高度なシステムとは限りません。
ログ整理は自動化しやすい。
本番データ削除は、強い承認を要求してよい。
AIか人間かの二択ではなく、
どこに境界を置くか
を設計します。
7. 「確認しますか?」だけでは弱い
毎回人間が内容を理解せず「許可」を押していれば、承認ゲートは形だけになります。
大切なのは、
何を確認して承認するか
です。
8. REVIEW
新しいAI権限を追加するときは、
- 必要性
- 対象環境
- read/write
- 最大影響
- 可逆性
- 人間承認
- 監査ログ
- secret access
- emergency stop
を確認します。
9. 判断演習
AIに、
- repo読取
- code変更
- test
- commit
- production deploy
- production DB change
をすべて許可する案が出ました。
「人間が確認するとAIの意味が薄い」という意見があります。
判断例を開く
判断
操作ごとに分けます。
自動化しやすい:
- read
- code modification
- test
条件付き:
- commit
- development deployment
強い承認:
- production deploy
- production DB change
あなたの記録あなたの考え。事実ではありません
判断ノート
10. AI WORKFLOW — AI自身に権限設計をレビューさせる
AIに、現在のAIエージェント権限構成を渡し、
- 不要と思われる権限
- 本番影響がある権限
- 不可逆操作
- 人間承認を入れるべき操作
- 監査ログが必要な操作
に分類させます。
指示例:
「このAIエージェントに与えている権限をレビューしてください。①不要と思われる権限、②本番影響がある権限、③不可逆操作、④人間承認を入れるべき操作、⑤監査ログが必要な操作、に分類してください。安全であると断定せず、不明点を明示してください。」
11. REVIEW — AI自身もレビュー対象
AIへ権限構成をレビューさせることはできます。
しかし、
「安全です」
というAIの回答だけでは、安全の証明になりません。
AI自身もレビュー対象です。
12. 人間が判断すること
大規模プロジェクトでは、
- developer
- operations
- security
- system owner
- business owner
などが関わります。
「AIができる」ではなく、
誰の責任でAIに実行させるか
まで決めます。
このユニットで覚えてほしいこと
- 必要な権限だけ与える
- 開発と本番を分ける
- 不可逆操作を区別する
- 危険操作へ人間承認
- 操作記録
- 停止・rollback
安全に自由にできる範囲を設計する。
これがAI時代の権限設計です。