DEV-004

環境・リリース対応表

分類:DEVELOPMENT実物サンプルあり

これは何か

環境・リリース対応表は、開発・テスト・本番などの環境ごとに、「どの版のソフトウェアが、いつ入ったか」と「次に何を出す予定か」を1枚で見られるようにした成果物です。

「環境」とは、同じシステムを用途ごとに分けて用意したものです。開発者が作りながら試す環境、テストの担当が確かめる環境、利用部門が受入テストをする環境、そして実際の業務で使う本番の環境があります。分ける理由は 09-03 開発・テスト・本番をなぜ分けるのか で学びます。

「リリース」とは、変更をまとめて1つの版にし、次の環境へ出すことです。

テストの担当から「受入テストで直ったはずの不具合が、また出た」と言われたとき、まず確かめるのは「その環境に、直した版が入っていたか」です。この表があれば、記憶や聞き取りに頼らずに答えられます。

なぜ作るか

誰が使うか・いつ作るか

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

環境とリリースに関係する記載

  • SYS-09 開発・CI/CD基盤(CI/CD:自動でテストし、自動で配布する仕組み)
  • Vendor B / クラウドブリッジの担当範囲に、クラウド基盤・CI/CD が含まれる
  • マルチベンダー
  • M18 本番稼働
  • 本番移行承認は、AIへ最終委任しない事項の1つ

アステリア案件で、各社のソフトウェアをどの環境にどう入れるか、誰がリリースを承認するか、SYS-09 がどのシステムの配布まで担うかは、正本に記載がありません。未確定

主な項目

一般的には、次の2つの表で構成します。

環境ごとの現在の版

リリースの予定と経過(1つのリリースごとに1行)

教材用サンプル成果物の読み方を学ぶための例

教材用サンプル — 環境ごとの版とリリースの予定

この成果物は学習用サンプルです。FROZEN正本に記載されたCASE FACTと、成果物の読み方を学ぶための教材用サンプル値を区別して表示しています。

次の表は、対応表の読み方を学ぶための例です。内容はすべて教材上の架空の例で、アステリア案件の記録ではありません。システムの名前も、案件のシステムではなく架空の部品名にしています。

環境 業務アプリ 連携の設定 帳票の設定 入れた時期 状態
開発 R-EX-14(作業中) R-EX-14(作業中) R-EX-13 毎日 作りながら確かめている
結合テスト R-EX-13 R-EX-13 R-EX-13 第○週 確かめ終わった
受入テスト R-EX-12 R-EX-13 R-EX-12 第○週 利用部門が確かめている
本番 R-EX-11 R-EX-11 R-EX-11 第○週 業務で使用中

受入テストの環境で、「連携の設定」だけが R-EX-13 になっています。業務アプリと版がそろっていない状態で確かめた結果は、本番に出す組み合わせの結果とは言えません。この表は、そうしたずれに気づくために使います。

リリース 含む変更 通ってきた環境 承認 本番に出す予定 戻し方
R-EX-12 変更の番号3件、不具合の番号5件 結合テスト(合格)、受入テスト(確認中) 未 第○週の夜間 1つ前の版 R-EX-11 に戻す
R-EX-13 変更の番号2件、不具合の番号4件 結合テスト(合格) 未 未定 未定

読み方

  1. 本番に出す予定の版が、受入テストの環境で、同じ組み合わせのまま確かめられているか
  2. 環境ごとの版が、部品ごとにそろっているか(1つの部品だけ新しい・古い、がないか)
  3. リリースに含む変更が、変更管理台帳・障害管理表の番号でたどれるか
  4. 承認の欄と、戻し方の欄が埋まっているか
  5. 本番の版が、決めた手順以外で変わっていないか(表の更新の記録と、本番の実際の版が一致するか)

書き方

  1. 環境の一覧と用途、部品(アプリ・設定など)の区切り、版の番号の規則を決め、関係するすべての会社・チームでそろえる
  2. 版を環境に入れるたびに、日時と入れた人(仕組み)を記録する。できるだけ自動配布の記録から作る
  3. リリースごとに、含む変更と通ってきた環境の結果を書き、本番に出す前に承認と戻し方を書く
  4. 定期的に、表と実際の環境の版が一致するかを確かめる

何を書いてはいけないか

どこを見るか

  1. 受入テストの版と、本番に出す版が同じか
  2. 部品ごとの版のそろい方
  3. 含む変更の参照
  4. 承認と戻し方
  5. 表と実際の環境の一致

赤信号

  • 本番の版の欄が、表の最終更新より後に変わっている(記録のない変更)
  • 受入テストを通っていない版が、本番の予定に入っている
  • 戻し方の欄が「未定」のまま、本番に出す日が近づいている
  • 会社ごとに別の表があり、同じ環境の版が表によって違う

よくある失敗

関係するUnit・成果物・危機演習

AI WORKFLOW

AIは、表と記録の食い違いを探す下書きに役立ちます。

「この環境・リリース対応表と、自動配布の仕組みの記録を比べ、①表に書かれた版と記録の版が違う環境、②受入テストの環境を通っていないのに本番の予定に入っているリリース、③承認または戻し方が空欄のリリース、を挙げてください。本番に出してよいかは判断しないでください。」

REVIEW

  • AIが挙げた食い違いを、人が実際の環境で確かめたか
  • AIが版の番号や承認者を推測で埋めていないか
  • 本番の設定や記録を AI に渡してよいか(情報の扱い)を、事前に確かめたか

人間が判断すること

  • どの版を本番に出すか。リリースを承認するか
  • 版がそろっていない環境で確かめた結果を、受け入れるか
  • 問題があったときに戻すか

本番移行承認は、AIへ最終委任しない事項です(正本の方針)。稼働後の個々のリリースの承認をどう扱うかは、正本に記載がありません。未確定

いつ使うか

この教材では STAGE 09|120人で安全に開発する の文脈で扱います。 アステリア案件での正式な作成・使用時期(月)は正本に記載がないため、未確定としています。

最後の問い

この表を見た人は、「今、どの環境に、どの版のソフトウェアが入っていて、次に本番へ何を出す予定か」をすぐに答えられますか?

学習上の接続

教材上の学習接続です。成果物とUnitの正式な対応表はbaselineにないため、正式な関連付けとしては登録していません。

  • Stage:未確定(baselineに対応表なし)
  • 危機演習:未確定(baselineに対応表なし)
  • 人物:未確定(baselineに対応表なし)