Unit 05-06(STAGE 05 の 6 / 8)

ベンダー間の境界を設計する

学習状況:未着手

このユニットの結論

複数の会社(ベンダー)が関わるプロジェクトでは、システムとシステムのつなぎ目で、どちらが何をするかを先に決めておく必要があります。

問題は、各社の担当範囲の真ん中ではなく、境目で起きます。

1. 何の話か

このユニットは、マルチベンダーのプロジェクトで、会社ごとの担当の境目をどう設計するかの話です。

2. なぜ必要か

各社は、契約で決まった範囲に責任を持ちます。その範囲の中では、各社とも一生懸命に作業します。

しかし、2社の範囲がぶつかるところ、たとえば「A社のシステムからB社のシステムへデータを送る連携」では、

が決まっていないと、作業が抜けたり、お互いに「相手の担当だ」と考えたりします。

3. このユニットで分かること

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

ベンダーと担当範囲

  • Vendor A / ネクサスシステムズ — 新基幹アプリケーション(Vendor PM:P-A01 井上 健一)
  • Vendor B / クラウドブリッジ — クラウド基盤、ネットワーク、IAM、連携、CI/CD、監視(Vendor PM:P-B01 吉田 圭介)
  • Vendor C / ファイナンスシステムサービス — FIN-CORE、会計連携(Vendor PM:P-C01 大森 裕)
  • Vendor D / タイムリンク — 勤怠・工数管理SaaS

会計への仕訳の連携の経路

  • IF-05・IF-06・IF-07:新基幹 → 連携基盤 → FIN-CORE

4. 境目はどこにあるか(CASE FACTの読み方)

正本の担当範囲と連携の経路を重ねると、たとえば会計への仕訳の連携では、

と、1本の連携の上に、3社の担当範囲が並ぶことが読み取れます。

ただし、各連携のどの作業をどの会社が担当するかという細かい分担は、正本に記載がありません。未確定

5. 境目で決めておくこと

一般的には、つなぎ目ごとに次を決めます。

決めること 内容
仕様の持ち主 連携のデータの形を、どちらが決め、どちらが承認するか
仕様の変え方 仕様を変えるときの手続き(変更の手続き・04-06)
テスト 連携のテストを、どちらが準備し、どちらが結果を確かめるか
障害対応 連携が失敗したとき、どちらが最初に調べるか

一般的には、発注者がこの表の空欄を埋める役割を持ちます。各社に任せきりにすると、境目は誰のものでもなくなります。アステリア案件で誰がこの分担を決めるかは、正本に記載がありません。未確定

6. THINK — テストのデータは誰が用意するのか

2社にまたがる連携のテストが、来週に迫っています。ところが、テストに使うデータを送る側・受け取る側のどちらが用意するかが決まっていませんでした。

問題

両社に「協力して準備してください」と伝えれば十分でしょうか。

判断例を開く

判断

それだけでは、どちらも「相手が用意するだろう」と考えて止まるおそれがあります。

確認すること:

  • テストのデータを、どちらが用意し、どちらが中身を確かめるか
  • テストの結果を、誰が合格と判断するか
  • 失敗したとき、どちらが最初に調べるか
  • 決めたことを、どこに書いて両社で共有するか

境目の作業は、名前を付けて担当を決めないと、誰の作業にもなりません。

7. よくある失敗

8. 成果物との接続

複数の会社が関わる場面は、危機演習の中でも扱います。

9. AI WORKFLOW — 境目の決めごとの抜けを探させる

指示例:

「次の連携一覧とシステム責任分担表を重ね、連携ごとに、仕様の持ち主・仕様の変え方・テストの担当・障害時の一次対応が決まっているかを表にしてください。決まっていない項目は空欄のままにし、推測で会社名を入れないでください。」

10. REVIEW — AIの表を確認する

  • 会社と担当範囲の対応を、正しく読んでいるか
  • 空欄を、AIが推測で埋めていないか
  • 契約の内容と食い違っていないか(契約書そのものは人が確かめる)

11. 人間が判断すること

  • 境目の作業を、どの会社に担当してもらうか
  • 連携の仕様を、誰が決めて管理するか
  • 担当の追加が契約の範囲外になる場合、どう扱うか

ベンダーへの追加の依頼や、契約上の扱いは、人間が判断します。

12. 判断演習

IF-04 工数連携(勤怠・工数SaaS → 連携基盤 → 新基幹)について、関わる会社を CASE FACT から挙げ、境目で決めておくべきことを表の5項目に沿って書いてください。

細かい分担は正本にないため、「未確定」の項目は未確定のまま書いてください。

あなたの記録あなたの考え。事実ではありません

判断ノート

既定では保存しないため、ページを離れると消えます。

このユニットで覚えてほしいこと

マルチベンダーの問題は、境目で起きます。

境目ごとに、仕様・仕様の変え方・テスト・障害対応の担当を決め、発注者が管理します。

次に読むもの

本文で参照している成果物:ARC-003 システム責任分担表、ARC-004 システム連携一覧、PRG-004 役割・責任分担表

関連成果物:未確定(baselineに対応表なし)

関連危機演習:未確定(baselineに対応表なし)

学習状況

状態:未着手