これは何か
システム責任分担表は、システムごとに、どの会社・どの役割が、何(開発・運用・データ・障害対応など)に責任を持つかを一覧にした成果物です。
マルチベンダーのプロジェクトでは、1つの業務が複数のシステムと複数の会社にまたがります。この表は、その分担を1枚で確かめるためのものです(05-02 どのシステムが何を担当するのか、05-06 ベンダー間の境界を設計する)。
なぜ作るか
- システムの変更・障害のとき、誰に相談・連絡するかが分かる
- 会社と会社の境目で、担当の抜けや重なりに気づける
- データの正本と、そのシステムの担当をあわせて確かめられる
誰が使うか・いつ作るか
- 使う人:アーキテクト、PMO、運用の担当、各ベンダー
- 一般的には、全体の構成と発注先が決まる段階で作り、契約や体制の変更のたびに更新します
- アステリア案件のこの表の中身は、正本に記載がありません。未確定
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
ベンダーの担当範囲(正本の文言のまま)
| 区分 | 社名 | 担当範囲 |
|---|---|---|
| Vendor A | ネクサスシステムズ | 新基幹アプリケーション |
| Vendor B | クラウドブリッジ | クラウド基盤、ネットワーク、IAM、連携、CI/CD、監視 |
| Vendor C | ファイナンスシステムサービス | FIN-CORE、会計連携 |
| Vendor D | タイムリンク | 勤怠・工数管理SaaS |
システムは SYS-01〜SYS-11 の11件です(システム・連携)。
正本から言えること・言えないこと
- 言えること:Vendor C の担当範囲に「FIN-CORE」(SYS-02 財務会計システム FIN-CORE)、Vendor D の担当範囲に「勤怠・工数管理SaaS」(SYS-03)が、名前で書かれています。
- 言えないこと:そのほかの System と会社の対応、開発・運用・障害対応などの責任の分け方。担当範囲の文言から推測できそうなものがあっても、正本に対応表がないため、確定した分担としては扱いません。未確定
教材用サンプル成果物の読み方を学ぶための例
教材用サンプル — 表の列
この成果物は学習用サンプルです。FROZEN正本に記載されたCASE FACTと、成果物の読み方を学ぶための教材用サンプル値を区別して表示しています。
| システム | 開発の担当 | 運用の担当 | データの正本か | 障害時の一次対応 | 発注者側の窓口 |
|---|---|---|---|---|---|
| システムX(例) | 会社P(例) | 会社Q(例) | 顧客データの正本(例) | 会社Q(例) | 業務リーダー(例) |
| システムY(例) | 会社R(例) | 会社R(例) | 正本ではない(例) | 会社R(例) | アーキテクト(例) |
システム名・会社名はすべて架空の例で、アステリア案件の分担ではありません。
何を書いてはいけないか
- 契約で決まっていない分担を、決まったもののように書く
- 「ベンダー各社」のように、会社を特定しない書き方
- 連携や監視など、システムの間にある仕組みの担当を省く
どこを見るか
- すべてのシステムに、開発・運用・障害時の一次対応の担当があるか
- システムの間の仕組み(連携基盤・認証・監視)の担当が書かれているか
- データの正本を持つシステムの担当が、はっきりしているか
- 発注者側の窓口が、システムごとに決まっているか
- 契約・体制の変更が反映されているか
赤信号
- 担当が空欄のシステムがある
- 1つのシステムの運用を、複数の会社が「共同」で担当している
- 表と契約書の範囲が食い違っている
- 障害時の一次対応が、どこにも書かれていない
関係するUnit・危機演習
- Unit:05-02 どのシステムが何を担当するのか、05-06 ベンダー間の境界を設計する、05-01 システム全体図を読む
- 成果物:ARC-001 システム全体構成図、ARC-004 システム連携一覧
- 危機演習:CR03 Vendor AとVendor Cが責任を押し付け合う(学習上の接続です。正式な対応関係ではありません)
AI WORKFLOW
「このシステム責任分担表と、システム一覧・連携一覧・データ正本の一覧を比べ、①担当が空欄のシステム、②連携の両端で担当の会社が違う箇所、③データの正本を持つのに担当がはっきりしないシステム、を挙げてください。担当の会社を推測で埋めないでください。」
REVIEW
- AIが会社の担当範囲の文言から、System との対応を推測していないか
- 最新の契約・体制を反映した表か
- 境目の作業が、表のどこかに入っているか
人間が判断すること
- システムごとの担当の決定
- 境目の作業を、どの会社に依頼するか
- 契約の範囲外の作業の扱い
いつ使うか
この教材では STAGE 05|全体設計を作る の文脈で扱います。 アステリア案件での正式な作成・使用時期(月)は正本に記載がないため、未確定としています。
最後の問い
この表で、あるシステムが止まったとき、最初に連絡する相手が決まりますか?