これは何か
本番切替詳細手順書は、本番切替計画書(CUT-001)で決めた流れを、1つひとつの作業の手順に分け、誰が・何を・どうやって行い・どうなれば完了とし・うまくいかないときにどうするかを書いた成果物です。
計画書が「全体の流れと判断の地点」を示す地図だとすると、詳細手順書は、その場で作業する人が手元に置いて使う「作業の説明書」です。
なぜ作るか
- 切替の当日は、緊張と時間の制約の中で作業します。記憶や口頭の説明に頼らず、手順書どおりに進められるようにする
- 担当が交代しても、同じ作業ができるようにする
- うまくいかないときに、誰に知らせ、どこで止まるかを、その場で考えずに済むようにする
- リハーサル(12-04)で見つかったあいまいさを直し、本番の手順を固める
誰が使うか・いつ作るか
- 作る人:それぞれの作業を担当するチーム(本番移行・データ移行・基盤・業務の担当)。本番移行の担当が全体をまとめる
- 使う人:切替の当日に作業する人、作業の結果を確かめる人、全体を見て判断する人
- 一般的には、切替計画書の後に作り、リハーサルのたびに直し、最後のリハーサルの後に確定します
- アステリア案件の手順書の中身は、正本に記載がありません。未確定
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
切替に関係する記載
- M18 本番稼働
- P-011 山下 恵 — 本番移行・運用リーダー
- 成果物に CUT-001 本番切替計画書、CUT-003 切り戻し計画書、CUT-004 本番切替リハーサル結果がある
- 本番移行承認と Go / No-Go は、AIへ最終委任しない事項
アステリア案件の切替の手順・日時・担当は、正本に記載がありません。未確定 危機演習で扱う出来事は、危機演習の中で扱います。
主な項目
一般的には、手順ごとに次の項目を書きます。
- 手順番号:計画書のどの段階の手順か分かる番号
- 作業する人:役割(と、その日の担当者の名前)
- 前提:この手順を始めてよい条件(前の手順の完了、など)
- 作業の内容:1つの手順に1つの作業。操作する画面・入力する内容・実行する処理を具体的に
- 完了の確かめ方:何が見えれば完了か(画面の表示・件数・記録など)と、確かめる人
- うまくいかないとき:止まる、知らせる相手、切り戻しの計画(CUT-003)のどこへ進むか
- 記録:作業の開始と終了、確かめた結果を書く欄
所要時間の見積もりと、全体の時間の組み立ては、計画書(CUT-001)とリハーサルの結果(CUT-004)で扱います。
教材用サンプル成果物の読み方を学ぶための例
教材用サンプル — 手順の2行
この成果物は学習用サンプルです。FROZEN正本に記載されたCASE FACTと、成果物の読み方を学ぶための教材用サンプル値を区別して表示しています。
次の表は、手順の書き方を学ぶための例です。手順・役割はすべて教材上の架空の例で、アステリア案件の手順ではありません。
| 手順番号 | 作業する人 | 前提 | 作業の内容 | 完了の確かめ方 | うまくいかないとき |
|---|---|---|---|---|---|
| 3-1 | 基盤の担当 | 手順 2 の完了を確認済み | 古いシステムの利用者の画面を、利用停止の画面に切り替える | 利用停止の画面が表示されることを、別の担当が確かめる | 作業を止め、全体を見る担当に知らせる。切り戻しは不要 |
| 3-2 | データ移行の担当 | 手順 3-1 の完了を確認済み | 手順書の別紙に書かれた順番で、移行の処理を開始する | 処理の記録に「開始」が出る | 開始できないときは作業を止め、全体を見る担当に知らせる |
読み方
- 1つの手順に、作業が1つだけ書かれているか(「〜して、〜して、〜する」になっていないか)
- 完了の確かめ方が、「完了したら」ではなく、見て分かるものになっているか
- 完了を確かめる人が、作業した人と別になっている手順があるか
- うまくいかないときの行き先(止まる・知らせる・切り戻す)が書かれているか
- 前提の欄で、手順どうしのつながりが追えるか
書き方
- 計画書の段階ごとに、作業を洗い出す
- 作業を、1つの手順に1つの作業になるまで分ける
- 手順ごとに、前提・作業の内容・完了の確かめ方・うまくいかないときを書く
- 手順書だけを見て作業できるか、作業しない人に読んでもらう
- リハーサルで実際に使い、あいまいな箇所を直す
- 最後のリハーサルの後に確定し、当日に使う版を決める
何を書いてはいけないか
- 「適宜確認する」「問題があれば対応する」など、何をするか分からない書き方
- 担当者の頭の中にしかない作業(手順書に書かれていない作業)
- うまくいかないときの欄が空欄の手順
どこを見るか
- 1つの手順に1つの作業か
- 完了の確かめ方と、確かめる人
- うまくいかないときの行き先
- 前提による手順のつながり
- リハーサルで直した箇所の記録
赤信号
- 手順書が、作業の名前を並べただけ
- 完了の確かめ方の欄に「完了」とだけ書かれている
- リハーサルで一度も使っていない
- 当日に作業する人が、手順書を読んでいない
よくある失敗
- 手順に詳しい人が書き、詳しくない人には読めない
- リハーサルで見つかった作業を、手順書に書き足さない
- うまくいかないときの手順が、切り戻しの計画とつながっていない
関係するUnit・成果物・危機演習
- Unit:12-01 本番切替計画とは何か、12-04 本番移行を事前練習する、12-03 失敗したら元に戻せるか
- 成果物:CUT-001 本番切替計画書、CUT-003 切り戻し計画書、CUT-004 本番切替リハーサル結果、CUT-005 本番稼働判定資料
- 危機演習:CR09 本番移行が計画時間を超過(学習上の接続です。正式な対応関係ではありません)
AI WORKFLOW
AIは、手順書の書き方の点検に役立ちます。
「この手順書の各手順について、①作業が2つ以上書かれている手順、②完了の確かめ方が見て分かる形になっていない手順、③うまくいかないときの欄が空欄の手順、④前提に書かれた手順番号が存在しない手順、を挙げてください。手順を書き換えたり、足したりしないでください。」
REVIEW
- AIが挙げた手順を、人が手順書で確かめたか
- AIが、実在しない作業を足していないか
- 手順を直すときに、その作業の担当が確かめたか
人間が判断すること
- 手順書を確定し、当日に使う版を決めること
- 当日、手順どおりに進まないときに、続けるか止めるか
- 切り戻しに進むか
本番移行承認と Go / No-Go は、AIへ最終委任しない事項です(正本の方針)。
いつ使うか
この教材では STAGE 12|本番切替の日 の文脈で扱います。 アステリア案件での正式な作成・使用時期(月)は正本に記載がないため、未確定としています。
最後の問い
この手順書を初めて読む担当者が、手順書だけを見て、同じように作業し、うまくいかないときに止まれますか?