Unit 11-04(STAGE 11 の 4 / 8)

汚れたデータをどうするか

学習状況:未着手

このユニットの結論

古いシステムのデータには、必ずと言ってよいほど誤り・重複・欠けがあります。これを「汚れたデータ」と呼ぶことがあります。

汚れを移行の前に見つけ、どこで・誰が・どう直すかを決め、直した記録を残すことが大切です。移行のプログラムで黙って直してしまうと、何を変えたのかが分からなくなります。

1. 何の話か

このユニットは、データの品質と、その直し方(クレンジング)の話です。

クレンジングとは、データの誤りや重複を見つけて直すことです。長く使われてきたシステムには、入力の誤り、同じものの二重登録、途中で決まりが変わったことによる形のばらつきなどが、少しずつたまっています。

2. なぜ必要か

汚れたデータを放っておくと、

ということが起きます。

3. このユニットで分かること

4. 汚れたデータの代表的な種類

種類 例(教材上の例)
重複 同じ顧客が、表記を変えて2回登録されている
欠け 必ず入っているはずの項目が空になっている
形のばらつき 日付や電話番号の書き方が、年によって違う
ありえない値 終了日が開始日より前になっている
古い値 廃止された部署のコードが残っている
つながりの切れ 案件の担当者が、社員のデータに存在しない

5. どこで直すか

一般的には、次の3つの場所があります。

場所 内容 向いているもの
古いシステムで直す 移行の前に、古いシステムの中で直す 業務の担当が1件ずつ判断して直すもの
移行の途中で直す 移行のプログラムで、決めたルールで変換して直す 形のばらつきなど、ルールで一律に直せるもの
新しいシステムで直す 移行したあとに、新しいシステムで直す 稼働までに間に合わず、業務への影響が小さいもの

どこで直すにしても、何を、どのルールで、誰の判断で直したかを記録します。移行の途中で直す場合は、直す前と後の値を残しておくと、あとで確かめられます。

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

アステリア案件に関係する記載

  • 10年分のデータ移行
  • P-009 橋本 奈緒 — データ移行リーダー
  • 成果物に DAT-005 データ品質・クレンジング一覧がある

アステリア案件のデータの品質の状況、見つかった汚れの種類と件数、直し方と判断した人は、正本に記載がありません。未確定

6. THINK — 「プログラムで全部直しておきます」

移行の練習で、重複した顧客のデータが見つかりました。移行のプログラムの担当者が、次のように言いました。

「名前と住所が似ているものは、プログラムで自動的に1つにまとめておきます。業務の人の手をわずらわせることはありません。」

問題

この進め方でよいでしょうか。

判断例を開く

判断

このままでは進められません。

確認すること:

  • 「似ている」けれど、本当は別の顧客というものはないか(同じ名前の別の会社、同じ会社の別の拠点など)
  • まとめたときに、どちらのデータの値を残すのか。その判断を誰がするか
  • まとめた顧客に結びついている案件などのデータは、どうなるか
  • まとめた記録(どれとどれを、なぜまとめたか)を残すか

まとめてよいかどうかは、そのデータを使う業務の担当でなければ判断できません。ルールで直す場合も、そのルールを業務の担当が承認し、結果を確かめます。

7. よくある失敗

8. 成果物との接続

直したデータが正しく移ったかは、照合(11-06)で確かめます。

9. AI WORKFLOW — 汚れの候補を洗い出させる

AIは、大量のデータから、汚れの候補を洗い出す下書きに役立ちます。

指示例:

「次のデータの見本から、①重複の可能性があるもの、②必ず入るはずの項目が空のもの、③形がばらばらな項目、④ありえない値の組み合わせ、を候補として挙げ、それぞれに理由を添えてください。データを直したり、まとめたりしないでください。」

10. REVIEW — AIの洗い出しを確認する

  • AIが挙げた候補を、人が元のデータで確かめたか
  • 「重複の可能性」とされたものを、業務の担当が確かめたか
  • データを AI に渡してよいか(個人の情報・秘密の扱い)を、事前に確かめたか

11. 人間が判断すること

  • 汚れを直すか、そのまま移すか、移さないか
  • どこで・誰が直すか
  • ルールで一律に直してよいか

12. 判断演習

あなたは、データの品質の担当です。

移行の練習で、「担当者が社員のデータに存在しない案件」が見つかりました。直し方を決めるために、確かめることを3つ挙げてください。

あなたの記録あなたの考え。事実ではありません

判断ノート

既定では保存しないため、ページを離れると消えます。

このユニットで覚えてほしいこと

汚れたデータは、移行の前に見つけ、どこで・誰が・どう直すかを決め、記録を残して直します。

直す判断は、そのデータを使う業務の担当が行います。

次に読むもの

本文で参照している成果物:DAT-005 データ品質・クレンジング一覧、DAT-003 データ移行方針書、DAT-001 データ一覧・管理責任表

関連成果物:未確定(baselineに対応表なし)

関連危機演習:未確定(baselineに対応表なし)

学習状況

状態:未着手