Unit 11-02(STAGE 11 の 2 / 8)

何を移し、何を移さないのか

学習状況:未着手

このユニットの結論

「念のため、全部移す」は、安全な選び方ではありません。

新しいシステムで業務を続けるために何が必要かを、データの種類ごとに業務の担当と確かめ、移すもの・移さないもの・参照できる形で残すものに分けて、その理由を記録することが、移行の範囲の決め方です。

1. 何の話か

このユニットは、データ移行の範囲の話です。

古いシステムには、長い年月の間に、たくさんのデータがたまっています。その中には、毎日の業務に欠かせないデータもあれば、何年も使われていないデータもあります。どれを新しいシステムへ移すかを決める必要があります。

2. なぜ必要か

範囲を決めずに進めると、

ということが起きます。

3. このユニットで分かること

4. 移すかどうかを決める観点

一般的には、データの種類ごとに、次の観点で考えます。

5. 3つに分ける

分け方 意味 例(教材上の例)
移す 新しいシステムに入れて、業務で使う 取引のある顧客、進行中の案件、在籍している社員
参照できる形で残す 新しいシステムには入れないが、必要なときに見られるように保管する 何年も前に終わった案件の詳しい履歴
移さない 使わないので、移さない(保管の要否は別に確かめる) 使われなくなった設定、試しに作られたデータ

「移さない」と決めたデータも、保存の義務があるかどうかを確かめたうえで、捨てるのか、保管するのかを決めます。

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

アステリア案件に関係する記載

  • 10年分のデータ移行
  • P-009 橋本 奈緒 — データ移行リーダー
  • 業務の担当として、P-005 藤本 遥(経理業務リーダー)、P-006 川村 美咲(プロジェクト管理業務リーダー)、P-007 松本 健太(営業・契約業務リーダー)がいる

「10年分」がどのデータの何年分を指すのか、移すデータ・移さないデータの区分、範囲を決めた人は、正本に記載がありません。未確定 上の業務の担当が範囲の判断に関わるという記載もありません。未確定

6. THINK — 「念のため全部移しましょう」

移行の範囲を決める会議で、業務の担当者が次のように言いました。

「どのデータがあとで必要になるか分からないので、念のため全部移してください。」

問題

この要望のとおり、全部を移すと決めてよいでしょうか。

判断例を開く

判断

そのまま決める前に、確かめることがあります。

確認すること:

  • 「あとで必要になるかもしれない」のは、どんな場面か。その場面で、新しいシステムの中にある必要があるか、参照できれば足りるか
  • 全部を移すと、変換・誤りの修正・確認の手間と、移行の時間はどれだけ増えるか
  • 古いデータの中に、形が違う・誤りが多いなど、そのままでは移せないものはないか
  • 移さないデータを、必要なときに見られる方法はあるか

担当者の不安は、「移さないと見られなくなる」ことから来ていることが多いものです。参照できる形で残す方法を示すと、移す範囲を絞れることがあります。

7. よくある失敗

8. 成果物との接続

範囲の考え方は、プロジェクト全体の範囲の決め方(01-05 どこまでを今回の対象にするか)とも共通しています。

9. AI WORKFLOW — 判断の材料を整理させる

AIは、データの種類ごとの判断の材料を整理する下書きに役立ちます。

指示例:

「次のデータの一覧について、データの種類ごとに、①最後に更新された時期、②件数、③業務の担当に確かめるべき質問、を表にしてください。移すかどうかは判断しないでください。」

10. REVIEW — AIの整理を確認する

  • 表の時期と件数が、元のデータと合っているか
  • AIが「不要」「移さなくてよい」と判断していないか
  • 保存の義務について、AIの一般論ではなく、会社の担当部門に確かめたか

11. 人間が判断すること

  • データの種類ごとに、移す・参照できる形で残す・移さない
  • 移さないデータを捨てるか、保管するか
  • 範囲の判断の記録と承認

12. 判断演習

あなたは、移行の範囲を決める担当です。

「過去の案件の記録を何年分移すか」を業務の担当と決めるために、聞いておきたい質問を3つ挙げてください。

あなたの記録あなたの考え。事実ではありません

判断ノート

既定では保存しないため、ページを離れると消えます。

このユニットで覚えてほしいこと

移行の範囲は、移す・参照できる形で残す・移さないの3つに分けて決めます。

判断の理由と決めた人を記録し、「念のため全部」で手間と時間をふくらませないようにします。

次に読むもの

本文で参照している成果物:DAT-003 データ移行方針書、DAT-001 データ一覧・管理責任表

関連成果物:未確定(baselineに対応表なし)

関連危機演習:未確定(baselineに対応表なし)

学習状況

状態:未着手