OPS-010

サービス品質目標運用規程

分類:OPERATIONS実物サンプルあり

これは何か

サービス品質目標運用規程は、サービス品質の目標(たとえば月の稼働率 99.9%)を「守れたか」だけで見るのではなく、目標との差を「使ってよい予算」として扱い、予算の残りに応じて、新しい変更を出すか・安定化を優先するかを決める運用の決まりをまとめた成果物です。

OPS-007 サービス品質目標一覧 が「目標の値」なら、この規程は「目標をどう使って判断するか」です。目標を 99.9% と置いたなら、月に約 44 分は止まってよい、と決めたことになります。この 44 分を予算と見なし、使った分を記録し、残りで判断します。世界で共有されている考え方では、この予算を「エラーバジェット」と呼びます。

なぜ作るか

誰が使うか・いつ作るか

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

サービス品質に関係する記載

  • M18 本番稼働、M21 初期安定化完了
  • システムに SYS-11 監視・ログ基盤 がある。Vendor B クラウドブリッジの担当範囲に 監視 が含まれる
  • 成果物に OPS-007 サービス品質目標一覧、OPS-002 監視・アラート一覧、OPS-005 障害報告書 がある
  • P-011 山下 恵 — 本番移行・運用リーダー
  • 重大障害判断、本番移行承認は、AIへ最終委任しない事項

アステリア案件の品質目標の値、予算の扱い、使い切ったときの判断は、正本に記載がありません。未確定

主な項目

一般的には、次の項目で構成します。

  1. 対象の目標:サービス品質目標一覧のうち、予算として運用する目標(稼働率、応答の時間の達成率、処理の期限内終了率 など)
  2. 予算の計算:目標から「期間内に許される違反の量」を計算する方法(稼働率 99.9%・30 日なら約 43 分)。何を違反として数えるか(計画停止の扱い、一部機能の停止の重み)
  3. 消費の記録:違反が起きたとき、何分・何件を予算から引くか。障害報告書との対応
  4. 残りに応じた判断:残りが十分なら通常どおり変更を出す。残りが少なくなったら変更の頻度を落とす。使い切ったら、安定化に関わる変更以外を止める。それぞれの境目の値
  5. 判断する人と手続き:境目を越えたときに誰が宣言し、誰に知らせ、いつ解除するか
  6. 報告:月次の報告の形(目標、実績、予算の消費、主な消費の原因)
  7. 目標の見直し:予算が毎月余る・毎月足りない状態が続いたときの見直しの手続き

教材用サンプル成果物の読み方を学ぶための例

教材用サンプル — 予算の計算と、残りに応じた判断

この成果物は学習用サンプルです。FROZEN正本に記載されたCASE FACTと、成果物の読み方を学ぶための教材用サンプル値を区別して表示しています。

次の表は、規程の書き方を学ぶための例です。数値はすべて教材上の架空の例で、アステリア案件の記録ではありません。

目標(教材上の例) 期間 許される違反の量(予算) 違反の数え方
業務時間帯の稼働率 99.9% 1 か月(業務時間 22 日 × 10 時間 = 13,200 分) 約 13 分 全面停止は 1 分 = 1 分。一部機能の停止は影響する利用者の割合で按分
画面の応答が p95 で 3 秒以内の達成率 99% 1 か月 全測定回数の 1% 3 秒を超えた測定回数を数える
夜間処理が始業前に終わる率 100% 1 か月(22 営業日) 0 回 始業に間に合わなかった日数
予算の残り(教材上の例) 状態 変更の扱い 宣言する人
50% 以上 通常 段階的リリースの手順に従って出す ―
20% 以上 50% 未満 注意 変更の頻度を半分に。リリースごとに運用の責任者の確認を追加 運用の責任者
20% 未満 抑制 安定化に関わる変更(不具合の修正、監視の改善)以外は止める 運用の責任者が宣言し、開発の責任者と経営層に通知
使い切り 停止 すべての変更を止め、原因の対策に集中。翌期の予算が回復し、対策が完了したら解除 運用と開発の責任者の合意で解除

読み方

  1. 目標が予算(許される違反の量)に換算され、違反の数え方が書かれているか
  2. 予算の残りに応じた判断の境目が、数値で書かれているか
  3. 境目を越えたときに宣言する人と手続きが決まっているか(宣言されないと機能しない)
  4. 予算の消費が、障害報告書と結びついて記録されているか
  5. 目標の見直しの手続きがあるか(毎月余る目標は緩すぎ、毎月足りない目標は厳しすぎる)

書き方

  1. サービス品質目標一覧から、予算として運用する目標を選ぶ(全部でなくてよい)
  2. 違反の数え方を監視の仕組みと合わせて決める(測れない数え方は決めない)
  3. 残りに応じた判断の境目を、開発と運用の両方で合意する
  4. 最初の数か月は境目を仮置きし、実測で調整する
  5. 月次の報告に予算の消費と原因を入れ、見直しの材料にする

何を書いてはいけないか

どこを見るか

  1. 目標から予算への換算と、違反の数え方
  2. 残りに応じた判断の境目
  3. 宣言する人と手続き
  4. 消費の記録と障害報告書の対応
  5. 目標の見直し

赤信号

  • 目標の値はあるが、「守れたか」の月次報告だけで、判断に使われていない
  • 予算を使い切っても変更が止まらず、障害が続く中で新しい版が出ている
  • 逆に、予算が毎月ほとんど余っているのに、変更が慎重すぎて出せない(目標が緩すぎる)
  • 開発と運用が別々の数字を見て、変更を出すかで毎回もめる

よくある失敗

関係するUnit・成果物・危機演習

AI WORKFLOW

AIは、障害報告書と監視の記録から、期間内の違反の量を数え方に従って集計し、予算の消費の下書きを作るのに役立ちます。

「次の障害報告書の一覧と監視の記録から、添付の『違反の数え方』に従って、目標ごとの違反の量を集計し、予算に対する消費の割合を示してください。数え方に当てはまらない事象は『判定不能』として別に示し、どちらに数えるかを判断しないでください。」

REVIEW

  • AIの集計が、数え方(按分、計画停止の除外)を正しく適用しているか
  • 「判定不能」の事象を、人が数え方に照らして判断し、必要なら数え方を直したか
  • 障害報告書を AI に渡してよいか(業務・構成情報の扱い)を事前に確かめたか

人間が判断すること

  • 予算として運用する目標と、違反の数え方
  • 残りに応じた判断の境目と、境目を越えたときの宣言
  • 目標の値を見直すか

重大障害判断、本番移行承認は、AIへ最終委任しない事項です(正本の方針)。

いつ使うか

この教材では STAGE 14|稼働した後が本当のスタート の文脈で扱います。 アステリア案件での正式な作成・使用時期(月)は正本に記載がないため、未確定としています。

最後の問い

この規程を読んだ運用と開発の担当は、「今月あとどれだけ目標を外してよいか」と「使い切ったら何を止め、何を優先するか」を、同じ数字を見て同じ結論にたどり着けますか?

学習上の接続

教材上の学習接続です。成果物とUnitの正式な対応表はbaselineにないため、正式な関連付けとしては登録していません。

  • Stage:未確定(baselineに対応表なし)
  • 危機演習:未確定(baselineに対応表なし)
  • 人物:未確定(baselineに対応表なし)