このユニットの結論
システム全体図は、絵として眺めるものではありません。
「どんなシステムがあり、どのデータがどこから来て、どこへ流れ、どこが正しい値を持つのか」を読み取るための地図です。
自分の担当する業務や変更が、地図のどこに当たるかを確かめてから話を始めると、見落としが減ります。
1. 何の話か
このユニットは、システム全体図(構成図)の読み方の話です。
大規模な刷新では、新しく作るシステムだけでなく、会計・人事・営業・勤怠・分析・認証・監視など、多くのシステムが関わります。全体図は、それらの関係を1枚で示します。
2. なぜ必要か
全体図を見ずに話を進めると、
- 変更の影響が、別のシステムにまで及ぶことに気づかない
- 同じデータを、2つのシステムがそれぞれ「正しい」と思って持っている
- 障害が起きたとき、どこから調べればよいか分からない
ということが起きます。
3. このユニットで分かること
- 全体図で最初に見る3つのこと
- アステリア案件のシステムと連携の全体像
- 全体図を読むとき、AIに任せてよいことと人間が確かめること
4. 全体図で最初に見る3つのこと
- 箱(システム):どんなシステムがあるか。新しく作るものか、既存のものか、外部サービスか
- 線(連携):どのシステムからどのシステムへ、データが流れるか。矢印の向きに注意します
- 正本:同じ種類のデータを複数のシステムが持つとき、どれが正しい値を持つか
線の数が多い箱は、止まったときの影響が大きい箱です。
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
アステリア案件のシステム
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SYS-01 新基幹システム
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SYS-02 財務会計システム FIN-CORE
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SYS-03 勤怠・工数管理SaaS
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SYS-04 営業管理システム
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SYS-05 人事マスターシステム
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SYS-06 システム連携基盤
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SYS-07 BI基盤
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SYS-08 認証・ID基盤
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SYS-09 開発・CI/CD基盤
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SYS-10 AI開発エージェント
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SYS-11 監視・ログ基盤
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正本には、顧客から経営分析までの「最重要データチェーン」(11段)が定められている
プロジェクト全体のシステム連携は約36本で、そのうち正本で個別に定義されているのは IF-01〜IF-12 の12本です。残りの連携の内容は、正本に記載がありません。未確定
実際の構成図は、成果物 ARC-001 システム全体構成図 で見られます。システム・連携・データの正本・最重要データチェーンは、表の形で システム・連携 にまとまっています。
5. 全体図から読み取れること(CASE FACTの読み方)
正本の連携を見ると、たとえば次のことが読み取れます。
- 新基幹システム(SYS-01)には、営業管理・人事・勤怠工数・認証から、データが入ってくる
- 新基幹システムから会計(FIN-CORE)への仕訳は、システム連携基盤(SYS-06)を経由する
- 新基幹システムと会計の両方から、BI基盤へデータが流れる
つまり新基幹システムは、多くの線が集まる中心の箱です。ここに変更や障害があると、前後のシステムに影響が広がります。
6. THINK — 自分の担当はどこか
あなたは、会計に送る仕訳データの項目を変える担当になりました。
問題
全体図で、何を確かめますか。
判断例を開く
判断
確認すること:
- 仕訳データは、どのシステムで作られ、どこを通って、どこへ届くか
- 途中の連携基盤で、データの形を変えていないか
- 届いた先(会計)で、その項目をどう使うか
- 会計の先(BIなど)にも、その項目が流れていないか
- それぞれの箱を、どの会社が担当しているか
線の前後をたどることで、相談すべき相手が分かります。
7. よくある失敗
- 箱だけを見て、線(連携)の向きを確かめない
- 古い版の全体図を使う
- 図にない連携を、口頭の説明だけで補う
- 同じデータの正本を確かめず、2つのシステムの値を混ぜて使う
8. 成果物との接続
- ARC-001 システム全体構成図:システムと連携の全体を1枚で示す
- ARC-003 システム責任分担表:どのシステムを、どの会社・役割が担当するかを示す
- ARC-004 システム連携一覧:連携を1本ずつ一覧にする
9. AI WORKFLOW — 図と一覧の食い違いを探させる
指示例:
「このシステム全体構成図と、システム一覧・連携一覧・データ正本の一覧を比べ、①図にない連携、②一覧にない連携、③矢印の向きが食い違う連携、④正本が2つあるように見えるデータ、を挙げてください。書かれていない連携を推測で足さないでください。」
10. REVIEW — AIの指摘を確認する
- 比べた図と一覧が、同じ時点の版か
- AIが「連携がある」と推測した箇所に、根拠の記載があるか
- 食い違いが、図の書き漏れなのか、一覧の誤りなのか
11. 人間が判断すること
- 全体図を正式な版として承認するか
- 食い違いが見つかったとき、どちらを正しいとするか
- データの正本をどのシステムにするか
12. 判断演習
システム・連携 の表を使って、勤怠・工数管理SaaS(SYS-03)から新基幹システム(SYS-01)までのデータの通り道を書き出してください。
途中で経由するシステムと、それぞれを担当する会社も書き添えてください。
あなたの記録あなたの考え。事実ではありません
判断ノート
このユニットで覚えてほしいこと
全体図は、箱・線・正本を読むための地図です。
自分の担当が地図のどこにあり、前後に何がつながっているかを確かめてから、変更や判断に進みます。