これは何か
システム連携処理図は、1本のシステム連携について、データが送る側から受ける側に届くまでの処理の流れを、図と表で示す成果物です。
たとえば、夜のうちに届くはずのデータが朝になっても届いていないとき、担当者は「どこで止まったのか」「送り直してよいのか」をすぐに知りたくなります。連携の一覧では、そこまでは分かりません。
ARC-004 システム連携一覧 との違いは、見る範囲です。
- 連携一覧:すべての連携(アステリア案件では約36本)を同じ項目で並べた台帳。「どんな連携が何本あるか」を見る
- 連携処理図:その中の1本を取り出し、「その連携の中で何がどの順に起きるか」を見る
なぜ作るか
- 止まったとき、どの段階まで進んだかを確かめる場所が分かる(07-04)
- 送り直しをどこから始めれば安全か、二重に届いたときにどうなるかを、事前に決めておける(07-05)
- 送る側・連携基盤・受ける側で担当が分かれていても、境目の処理を誰が持つかが見える
誰が使うか・いつ作るか
- 作る人:連携の設計の担当。送る側・受ける側・連携基盤の担当がそれぞれ確かめる
- 使う人:開発・テスト・運用の担当、障害を調べる人
- 一般的には、連携一覧で連携が決まった後、1本ずつの設計の段階で作ります。止まったときの業務への影響が大きい連携から描くことが多いです
- アステリア案件で、どの連携について処理図を作ったか、誰が作ったかは、正本に記載がありません。未確定
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
連携基盤を経由する連携の経路
正本の IF-01〜IF-12 のうち、システム連携基盤(SYS-06)を経由する経路は次の4本です。
| ID | 名称 | 経路 |
|---|---|---|
| IF-04 | 工数連携 | 勤怠・工数SaaS → 連携基盤 → 新基幹 |
| IF-05 | 売上仕訳連携 | 新基幹 → 連携基盤 → FIN-CORE |
| IF-06 | (名称は システム・連携 を参照) | 新基幹 → 連携基盤 → FIN-CORE |
| IF-07 | 原価仕訳連携 | 新基幹 → 連携基盤 → FIN-CORE |
- 連携基盤から監視・ログ基盤へ IF-12 がある
- Vendor B / クラウドブリッジの担当範囲に「連携」が含まれる
- プロジェクト全体の連携は約36本
どの連携も、起動のきっかけ・方法・時刻・失敗時の扱い・送り直しの方法・二重に届いたときの扱いは、正本に記載がありません。未確定 下の教材用サンプルは、経路の形(送る側 → 連携基盤 → 受ける側)だけを借りた架空の例で、IF-04〜IF-07 の設計ではありません。
主な項目
1本の連携について、一般的には次を描きます。
- 登場するもの:送る側・連携基盤・受ける側と、監視の仕組み
- 起動のきっかけ:決まった時刻か、データができたときか、人の操作か
- 正常の流れ:取り出し → 受け渡し → 取り込み → 終わりの知らせ
- 失敗したとき:どの段階の失敗を、誰が、どうやって知るか
- 送り直し:自動か人の判断か、どこから送り直すか
- 二重に届いたとき:受ける側で、すでに処理したものをどう見分けるか
- 終わりの確かめ方:件数などで、全部届いたことをどう確かめるか
教材用サンプル成果物の読み方を学ぶための例
教材用サンプル — 連携 FLOW-EX-01 の処理図
この成果物は学習用サンプルです。FROZEN正本に記載されたCASE FACTと、成果物の読み方を学ぶための教材用サンプル値を区別して表示しています。
内容はすべて教材上の架空の例で、アステリア案件の記録ではありません。業務の明細を、送る側から連携基盤を経て受ける側へ、1日1回まとめて送る連携を想定しています。
- 決まった時刻に起動
- 送る側が明細を取り出す
- 連携基盤が受け取り、形を整える
- 受ける側が取り込む
- 件数を突き合わせる
- 終わりを監視へ知らせる
| 場面 | 送る側 | 連携基盤 | 受ける側 | 知らせる先 |
|---|---|---|---|---|
| 起動 | 決まった時刻に取り出しを始める | ― | ― | ― |
| 受け渡しの失敗 | 失敗を記録し、待つ | 受け取れなかったことを記録する | ― | 運用の担当へ通知 |
| 取り込みの失敗 | ― | 取り込めなかった明細を保管する | 失敗した明細の番号を返す | 受ける側の担当へ通知 |
| 送り直し | ― | 保管した明細を、人の指示で送り直す | 取り込む | 送り直した件数を記録 |
| 二重に届いた | ― | ― | 明細の番号で処理済みを見分け、2回目は取り込まない | 見分けた件数を記録 |
| 終わりの確かめ | 送った件数を渡す | ― | 取り込んだ件数を返す | 件数が合わなければ通知 |
読み方
- 正常の流れをたどり、登場するものと順番をつかむ
- 表の「失敗」の行で、どの段階で止まると誰が気づくかを見る
- 送り直しと二重の行で、どこから・誰の判断で送り直し、受ける側でどう見分けるかを見る
書き方
- 連携一覧から1本を選び、送る側・連携基盤・受ける側・監視を並べる
- 正常の流れを、段階ごとに短い言葉で描く
- 段階ごとに「ここで止まったら」を書き、知らせる先を決める
- 送り直しと二重の扱いを、受ける側の担当と一緒に決める
- 描いた流れを、テストの場面(TST-002)に写す
何を書いてはいけないか
- 正常の流れだけを描いた図(失敗・送り直しがない)
- 「エラー時は再送」のように、どこから・誰の判断で送り直すかが分からない書き方
- 決まっていない扱いを、決まったもののように描くこと(決まっていなければ「未決」と書く)
どこを見るか
- 起動のきっかけが書かれているか
- 段階ごとに、止まったときに誰が気づくかが書かれているか
- 送り直しの起点と判断する人が書かれているか
- 受ける側に、二重に届いたものを見分ける方法があるか
- 全部届いたことを確かめる方法(件数など)があるか
赤信号
- 失敗の行がなく、正常の流れしか描かれていない
- 連携基盤の中の処理が空白で、誰の担当か分からない
- 送り直しが「自動」とだけ書かれ、二重に届いたときの扱いがない
- 図の流れと、テストで確かめた場面が対応していない
よくある失敗
- 送る側と受ける側が別々に図を作り、境目の処理が食い違う
- 障害の後に初めて、送り直しの起点を話し合う
関係するUnit・成果物・危機演習
- Unit:05-04 システム同士をどうつなぐのか、07-04 相手システムが止まっていたらどうするか、07-05 同じ処理が2回来ても大丈夫にする、07-06 36本を一覧で管理する
- 成果物:ARC-004 システム連携一覧、ARC-003 システム責任分担表、TST-002 テスト計画・対象一覧、OPS-002 監視・アラート一覧
- 危機演習:この成果物を直接の題材にする危機演習はありません
AI WORKFLOW
AIは、処理図の抜けを探す下書きに役立ちます。
「この連携処理図を読み、①止まったときに誰が気づくかが書かれていない段階、②送り直しの起点が書かれていない箇所、③二重に届いたときの扱いが書かれていない箇所、を挙げてください。扱いを提案したり、空欄を埋めたりしないでください。」
REVIEW
- AIが挙げた抜けが、元の図や別の設計書で本当に抜けているか
- AIが一般的な連携の作りを、この連携の事実のように書いていないか
- 送る側・受ける側・連携基盤の担当が、それぞれ図を確かめたか
人間が判断すること
- 送り直しを自動にするか、人の判断にするか。判断する人
- 二重に届いたときの見分け方と、見分けたときの扱い
- 処理図をどの連携から作るか
いつ使うか
この教材では STAGE 07|36本のシステム連携を管理する の文脈で扱います。 アステリア案件での正式な作成・使用時期(月)は正本に記載がないため、未確定としています。
最後の問い
この図を見た人は、1本の連携が「何をきっかけに動き、どこで止まり得て、止まったら誰がどこから送り直すのか」を説明できますか?