Unit 02-02(STAGE 02 の 2 / 7)

RFIとRFPとは何か

学習状況:未着手

このユニットの結論

RFI(情報提供依頼)は「何ができるかを広く聞く」ための文書、RFP(提案依頼書)は「この条件で、どう実現するかを提案してもらう」ための文書です。

RFIで市場と選択肢を知り、RFPで比較できる提案を集めます。順番を飛ばすと、比べられない提案が集まります。

1. 何の話か

大規模な刷新では、多くの場合、外部のベンダー(開発を請け負う会社)に仕事を依頼します。

そのとき使う代表的な文書が、

です。

どちらも「ベンダーに出す依頼の文書」ですが、目的が違います。

2. なぜ必要か

口頭で「こんなシステムを作りたい」と伝えるだけでは、ベンダーごとに違う前提で提案が返ってきます。

これでは、どれが安いのか、どれが良いのかを比べられません。

文書で条件をそろえることで、同じ土俵で比較できる提案を集めます。

3. このユニットで分かること

4. RFIとRFPの違い

RFI(情報提供依頼) RFP(提案依頼書)
目的 何ができるか、どんな選択肢があるかを知る 条件を示し、実現方法と見積もりを提案してもらう
出す時期(一般的に) 構想の段階 対象範囲と要求がある程度固まった段階
返ってくるもの 製品・サービス・実績の情報 提案書・体制・スケジュール・見積もり
比較のしやすさ 比較は目的ではない 比較できるように条件をそろえる

一般的には、RFIで得た情報をもとに要求を整理し、RFPを作ります。

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

アステリア案件のベンダー

  • マルチベンダーで進めるプロジェクト
  • Vendor A / ネクサスシステムズ — 新基幹アプリケーション
  • Vendor B / クラウドブリッジ — クラウド基盤、ネットワーク、IAM、連携、CI/CD、監視
  • Vendor C / ファイナンスシステムサービス — FIN-CORE、会計連携
  • Vendor D / タイムリンク — 勤怠・工数管理SaaS

アステリア案件で、どのようなRFI・RFPを出し、どの順で各ベンダーを選んだかは、正本に記載がありません。未確定

5. マルチベンダーでRFPが難しくなる理由

アステリア案件のように複数のベンダーが関わる場合、RFPには「その会社がどこまでを担当するか」を書く必要があります。

担当範囲があいまいだと、

ということが起きます。特に、システムとシステムのつなぎ目(連携)の作業は、どちらが持つのかを明確にしないと漏れやすくなります。

6. THINK — 安い提案は本当に安いか

2社から提案が届きました。A社はB社より見積もりが低い金額でした。

問題

A社を選んでよいでしょうか。

判断例を開く

判断

金額だけでは判断できません。

確認すること:

  • 両社の見積もりに、同じ作業が含まれているか(データ移行、テスト、運用引継ぎなど)
  • 前提条件(発注者側が用意するもの)が同じか
  • 体制と経験が、対象の業務・規模に合っているか
  • 除外事項に、重要な作業が入っていないか

条件をそろえられないRFPだった場合は、RFPのほうを見直します。

7. よくある失敗

8. 成果物との接続

9. AI WORKFLOW — 提案の比較表を作らせる

AIは、長い提案書を読み比べるのに役立ちます。

指示例:

「2社の提案書から、対象範囲・除外事項・前提条件・体制・スケジュール・見積もりの内訳を同じ表に整理してください。提案書に書かれていない項目は『記載なし』とし、推測で埋めないでください。」

10. REVIEW — AIの比較表を確認する

  • 提案書の該当ページに、本当にそう書かれているか
  • 「記載なし」を、AIが勝手に「含まれない」と読み替えていないか
  • 金額の単位や税の扱いが、そろっているか

AIの表は、原本を確認するための目次として使います。

ADVANCED深掘り — 実務者向けに一段深く

深掘り — 絞り込みの段階と、質問への答え方の公平さ

段階を分けて絞る

RFI を出す相手は広く、RFP を出す相手は絞ります。RFI の回答から、規模・業種の実績、体制、方式の大枠で数社に絞ることを、ショートリスト(候補の絞り込み)と呼びます。絞る基準は RFI を出す前に決め、絞った理由を記録に残します。RFP を出す相手が多すぎると、提案を読む側の手間で評価が雑になり、少なすぎると比べる相手がなくなります。

提案を求める文書と、見積もりを求める文書

世界で共有されている分け方では、RFP(提案を求める)と RFQ(見積もりを求める)を区別します。何を作るかがほぼ決まっていて、価格と条件だけを比べたいなら RFQ です。方法まで提案してほしいなら RFP です。混ぜると、「方法を考えてほしい」と言いながら価格で選ぶ、というちぐはぐが起きます。どちらを出しているかを、文書の冒頭で自分たちにも明らかにします。

質問への答えは全社に同じものを

提案者からの質問には、1 社に答えた内容を、質問した会社の名前を伏せて全社に配ります。1 社だけが知っている前提があると、提案の前提がそろわず、比べられません。質問の締め切り、回答の日、回答の配り方を RFP に書き、記録を残します。

比べられないと分かったら

提案が出そろってから、前提がばらばらで比べられないと分かることがあります。そのときは、評価を無理に進めず、前提をそろえる追加の質問を全社に同じ形で出します。比べられない提案を点数にしても、点数の意味がありません。

現場で確かめる問い

  • RFI から RFP に進む相手を、どの基準で、何社に絞ったか。理由は残っているか
  • 出そうとしている文書は、方法の提案を求めるものか、価格を比べるものか
  • 提案者からの質問と回答を、全社に同じ形で配る手順があるか
  • 提案の前提がそろっていないと分かったとき、評価を止めて前提をそろえる手順があるか

アステリア案件で RFI から何社に絞り、質問と回答をどう扱ったかは、正本に記録がありません。記録なし

11. 人間が判断すること

  • RFPに何を条件として書くか
  • どの観点で、どの重みで評価するか
  • どのベンダーに依頼するか
  • 契約で何を約束してもらうか

ベンダーの選定は、費用と責任を伴う判断です。AIに最終決定を任せません。

12. 判断演習

あなたはRFPの下書きを任されました。

提案を比べやすくするために、ベンダーに必ず書いてもらう項目を5つ挙げてください。

考える観点:

  • 対象範囲と除外事項
  • 前提条件
  • 体制
  • スケジュール
  • 見積もりの内訳

あなたの記録あなたの考え。事実ではありません

判断ノート

既定では保存しないため、ページを離れると消えます。

このユニットで覚えてほしいこと

RFIは知るため、RFPは比べるための文書です。

比べられる提案を集めるには、発注者が条件を先にそろえる必要があります。

次に読むもの

本文で参照している成果物:BUS-005 提案依頼書(RFP)、BUS-006 ベンダー評価表

関連成果物:未確定(baselineに対応表なし)

関連危機演習:未確定(baselineに対応表なし)

学習状況

状態:未着手