CR08・M15.5
売掛金が1.8億円一致しない
ここまでの学習
Stage 1 症状
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
M15.5 データ移行確認
データ移行の照合結果が届きました。
- 件数: 100%一致
- 移行エラー: 0
- 売掛金差額: 1億8,000万円
移行プログラムそのものは正常終了しています。
しかし、金額が合っていません。
LEARNER HYPOTHESISあなたが立てる仮説。事実ではありません
あなたなら最初に何を疑いますか?
まだ原因は分かりません。
仮説候補:
- 一部データの金額異常
- 重複
- 対象期間
- 金額変換・丸め
- 対象外データ
- 比較範囲
- 会計上の調整
TRAINING UI演習の問い
正解を選ぶのではなく、何を確認すれば仮説を消せるかを考えてください。
Stage 2 最初の資料
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
照合サマリー
| 確認項目 | 結果 |
|---|---|
| 件数 | 100%一致 |
| 移行エラー | 0 |
| 売掛金金額 | 1億8,000万円不一致 |
TRAINING UI資料の読み方
この資料から言えること
- 単純な件数不足は確認されていない
- migration errorとして記録された失敗はない
- 金額control totalは一致していない
まだ言えないこと
- 移行が成功した
- データの意味が一致している
- 金額差の原因
- どちらのデータが正しいか
TRAINING UI演習の問い
THINK
「件数100%一致・エラー0」なら、欠落や重複の調査はもう不要でしょうか。
完全には捨てません。
ただし、金額だけが大きく違う理由を説明できる仮説の優先度を上げます。
Stage 3 仮説整理
LEARNER HYPOTHESISあなたが立てる仮説。事実ではありません
A. Record-level
- 欠落
- 重複
- 不正値
B. Transformation
- 金額変換
- 符号
- 丸め
- mapping
C. Scope / Cutoff
- 対象期間
- 対象条件
- 対象外処理
D. Meaning / Accounting
- 同じ「売掛金」という名前でも中身が同じか
- 調整・振替などをどこまで含むか
TRAINING UI証拠を要求する
次に欲しい証拠
- 旧システム側の売掛金を構成するデータ
- 新システム側の比較対象
- 対象外データ一覧
- 金額差の内訳
AI WORKFLOW
Prompt:
「このデータ移行差異を調査してください。①確認済み事実、②原因仮説、③仮説ごとに必要な追加証拠、④現時点では断定できないこと、に分けてください。件数一致・エラー0だけを理由に移行成功と判断しないでください。」
REVIEW
AIが「会計調整が原因だと思われます」と回答しても、まだ仮説です。
要求する証拠:
- 実際に調整データが存在するか
- その金額はいくらか
- 移行対象だったか
- 1.8億円との差を説明できるか
Stage 4 追加証拠
調査の結果、次の事実が確認されました。
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
旧システムの売掛金には、請求明細以外の調整仕訳が含まれています。
TRAINING UI演習の問い
THINK
「請求明細の件数が一致しているから、売掛金も一致するはず」
とは言えなくなりました。
次に確認すべきこと:
- 調整仕訳の内容
- 合計金額
- 移行対象か対象外か
- 新システム側でどう扱う想定だったか
Stage 5 決定的証拠
さらに確認したところ、
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
対象外とされていた調整仕訳の合計は、1億8,000万円でした。
差額も、1億8,000万円です。
TRAINING UI資料の読み方
ここで何が言えるか
非常に強い関連が確認できました。
しかし、
「1.8億円を追加で移せば終わり」
と短絡してはいけません。
確認すべきなのは、なぜそれが対象外だったのかです。
Stage 6 真因
CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実
真因
旧新で「売掛金」の業務・会計定義が異なっていました。
旧システムの売掛金残高には、請求明細だけではなく調整仕訳も含まれていました。
一方、照合していた対象では、その調整仕訳が対象外になっていました。
そのため、
- 件数100%一致
- 移行エラー0
でも、売掛金残高は一致しませんでした。
重要
問題は、移行プログラムが1.8億円分エラーを起こしたことではありません。
比較していた「売掛金」というデータの意味・範囲が、旧新で揃っていなかったことです。
Stage 7 対応・成果物更新
最初にすること
差額を無理に埋めるのではなく、何を売掛金として比較するのかを揃えます。
確認・判断
- 調整仕訳を移行対象にするか
- 対象外なら別途どう扱うか
- 正式な会計残高と業務上の売掛金明細をどう区別するか
- どのcontrol totalで移行完了を判断するか
- 例外を誰が承認するか
DAT-007へ戻る
更新すべき観点:
- 比較対象の定義
- 除外対象
- 除外理由
- 除外金額
- 差額内訳
- evidence
- reviewer conclusion
学習上の接続(正式な対応関係ではありません):
Stage 8 / 8
Stage 8 再発防止
移行前
- sourceとtargetの業務定義を確認
- 同名データでも意味が同じか確認
- 移行対象・対象外を明文化
- 除外理由を記録
- accounting control totalを定義
リハーサル
- 件数
- 金額
- 例外
- 変換
- 除外
- 業務意味
を照合する。
完了条件
「error 0」だけにしない。
最後の問い
もし差額が0円だったとしても、旧新で「売掛金」の定義が違うままだったら、移行成功と言えるでしょうか。
偶然数字が一致しているだけかもしれません。
重要なのは、数字が合うことと、意味が合うことの両方を確認することです。
CR08で覚えてほしいこと
データ移行で確認するのは、データが移ったかだけではありません。
同じ意味のデータを比較しているかを確認します。
件数100%一致、error 0でも、移行が正しいとは限りません。
大規模システム開発では、数字より先に、数字の意味を疑うことがある。
LEARNER HYPOTHESISあなたの考え。事実ではありません
Stage 8 の記録
学習状況
状態:未着手