Unit 08-01(STAGE 08 の 1 / 7)

ログインできれば安全なのか

学習状況:未着手

このユニットの結論

ログインできることは、安全であることの証明ではありません。

「本人であることを確かめる(認証)」と「その人に何をさせてよいかを決める(認可・権限)」は別の仕組みです。さらに、アカウントの作成から削除までの管理と、操作の記録がそろって、はじめて「誰が何をできるか」を管理できていると言えます。

1. 何の話か

このユニットは、STAGE 08「誰に何を許可するのか」の入口です。ログイン(認証)と権限(認可)の違いを扱います。

システムの安全を考えるとき、「ログインの仕組みがあるから大丈夫」と考えがちです。しかし、ログインは入口の確認にすぎません。入ったあとに何ができるかは、別に決める必要があります。

2. なぜ必要か

認証だけで安全だと考えると、

ということが起きます。

3. このユニットで分かること

4. 4つの仕組み

仕組み 問い 例(一般的な説明)
認証 あなたは本当に本人か ID とパスワード、スマートフォンでの追加の確認
認可(権限) あなたは何をしてよいか 案件を登録できる、承認できる、見るだけ
アカウント管理 そのアカウントは今も必要か 入社で作る、異動で変える、退職で止める
記録 誰が、いつ、何をしたか ログイン・操作・権限の変更の記録

どれか1つが欠けると、ほかの3つがあっても穴が残ります。権限の決め方は 08-02・08-03、記録は 08-04 で学びます。

5. 認証を強くする考え方

一般的には、次のような考え方があります。

どこまで強くするかは、守るものの大切さと、使う人の手間のバランスで決めます。

CASE FACTFROZEN正本に記載されたアステリア案件の事実

アステリア案件に関係する記載

  • SYS-08 認証・ID基盤
  • IF-10 認証・ID → 新基幹
  • Vendor B / クラウドブリッジの担当範囲に IAM(利用者と権限の管理の仕組み)が含まれる
  • SYS-11 監視・ログ基盤
  • P-012 石井 稔 — セキュリティ責任者

アステリア案件の認証の方式(多要素認証の有無など)、アカウント管理の手続き、権限の設計は、正本に記載がありません。未確定 IF-10 の経路は正本にありますが、連携で何を受け渡すかは記載がありません。未確定

6. THINK — 「社内の人しかログインできないから」

設計の打ち合わせで、担当者が次のように言いました。

「このシステムは社内の人しかログインできません。だから、ログインした人には全部の画面を見せても問題ないと思います。」

問題

この考え方でよいでしょうか。

判断例を開く

判断

この考え方ではよくありません。

確認すること:

  • 社内の人でも、仕事に関係のないデータ(人事・給与・取引の条件など)を見てよいか
  • 誤って、または悪意をもって、データを変える人がいたときに防げるか
  • パスワードが漏れて、社外の人がなりすましたときに、被害をどこまでに抑えられるか
  • 誰がどのデータを見たかを、あとから確かめられるか

「社内の人だけ」は、入口の条件です。入ったあとに何をしてよいかは、仕事に合わせて決めます。

7. よくある失敗

8. 成果物との接続

9. AI WORKFLOW — アカウントの棚卸しを手伝わせる

AIは、アカウントの一覧から、確かめるべきものを探す下書きに役立ちます。

指示例:

「次のアカウントの一覧と在籍者の一覧を比べ、①在籍者の一覧にないアカウント、②長い間ログインしていないアカウント、③複数の人が使っていると思われるアカウント、を挙げてください。アカウントを止めるかどうかは判断しないでください。」

10. REVIEW — AIの指摘を確認する

  • AIが挙げたアカウントを、人が元の一覧で確かめたか
  • 一覧を AI に渡してよいか(個人の情報の扱い)を、事前に確かめたか
  • アカウントを止める判断を、AIの結果だけで行っていないか

11. 人間が判断すること

  • 認証をどこまで強くするか
  • 誰にアカウントを与え、いつ止めるか
  • 例外(共有のアカウントなど)を認めるか

セキュリティ例外承認は、AIへ最終委任しない事項です(正本の方針)。

12. 判断演習

あなたは、新しいシステムのアカウント管理の担当です。

社員が異動したとき、アカウントについて確かめることを3つ挙げてください。

あなたの記録あなたの考え。事実ではありません

判断ノート

既定では保存しないため、ページを離れると消えます。

このユニットで覚えてほしいこと

ログインは入口の確認にすぎません。認証・権限・アカウント管理・記録の4つがそろって、はじめて「誰に何を許可しているか」を管理できます。

次に読むもの

本文で参照している成果物:SEC-001 セキュリティ基本方針、SEC-002 権限設計表、SEC-004 監査ログ要件一覧

関連成果物:未確定(baselineに対応表なし)

関連危機演習:未確定(baselineに対応表なし)

学習状況

状態:未着手